歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

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法人歯科医院が生き残る戦略とは?地域密着型・中規模医院の戦い方  [2025年06月21日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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分院展開=成功の時代は終わった

これまで中型医療法人の一部の院長は、小規模医院の分院展開によって「売上の拡大=経営安定」を目指してきました。
しかし近年、そのモデルが限界に近づいています。

・診療報酬の伸び悩み

・人件費や設備投資の増加

・勤務ドクターや歯科衛生士の採用難

このような環境下では、【中途半端な規模拡大=収益性の悪化】というリスクが顕在化しています。

→《現実》最近では、分院長が定着せず、歯科衛生士採用にも苦戦して、分院を閉鎖するケースも増えてきています。

だからこそ今、法人歯科医院には「何となく拡大」ではなく、【明確な戦略と収益モデル】が求められているのです。

都市部で展開する売上20億円以上の超大型医療法人以外は分院展開で苦戦するようになっていくと私は考えています。

※超大型規模でも勤務ドクターと歯科衛生士などのスタッフ定着率が低い場合は同様に苦戦していく。

 

 

法人医院が生き残るための「3つの戦略視点」

1.【マーケット内シェアをどう獲るか?】

人口減少が進む中で、新規患者は取り合いになっています。
その中で法人が勝ち抜くには、自院がどの商圏のどのポジションを担い、どれだけのシェアを押さえるかが重要です。

ただし、一医院で8~10億円売上げる大型規模医療法人と違って中型医療法人は総合力では勝てないのです(一医院での超大型医療法人も存在しますが数が少ない)。

だから戦略が必要になる。

→《戦略》来院動線・診療圏分析・定期管理の仕組みを整え、【地域に根ざした継続来院モデル】を構築することがカギです。

 

2.【診療の特化・差別化をどこで打ち出すか?】

中型規模法人ならではのスケールメリットを活かすためには、【特化型診療の明確化】が必須です。

・インプラント、矯正、訪問、重症化予防管理の強化
・高齢者・小児・女性などのターゲット別診療(ターゲットは絞り過ぎない)

→《選択と集中》何でも診る医院ではなく、「この治療なら〇〇医院」と地域に認知されるポジショニングが必要です。

→《差別化ポイント》例えば、アライナー矯正に参入する院長が増えるなかで、先生がワイヤー矯正の技術をお持ちならば「アライナー+ワイヤー」で大型医療法人との差別化ができます。

 

3.【採用力・育成力で勝てる体制か?】

人材の取り合いが加速する中、【“働きがい”と“育ちやすさ”を感じられる仕組み】がなければ法人でも人は定着しません。

→《組織戦略》教育制度・キャリアパス・役割分担・キャリア評価制度などを整備し、スタッフが「ここで働き続けたい」と思える環境を作ることが、法人の競争力になります。

※人を採用し続けられる根拠がなければ規模の拡大は時限爆弾となる。

 

 

中型規模で「生き残る規模」とは?売上の数字と収益モデルを再確認しよう

では、中型医療法人が安定して経営を続けるには、どれほどの売上規模が必要なのでしょうか?

【中型規模の目安となるモデル:一例】

・年商3〜5億円(単院)

・ユニット10〜15台、歯科医師3〜5名、歯科衛生士10~20名程度

・自費は院内技工

・粗利率85%以上、人件費率22〜28%

・法人全体で経常利益率15%以上を維持できる構造

 

もちろん、上記モデルだけが答えではない。訪問歯科に参入するのか?自費のブランド力はどの位あるか?どの地域で開業しているのか?などによっても戦略は変わります。しかし、肝腎なのは収益性を高められるかであり投資するのならば投資額を超える収益を生み出すことが必須となる。戦略なしに大型医療法人の真似をしてはいけないのです。

 

この規模で収益率を高められるのであれば、教育投資や採用費、設備更新費をまかないながら成長を続けることが可能です。

逆に、売上2億円~5億円あっても、高コスト体質で経常利益率が10%を切る法人(適正な役員報酬で)は、【人件費・固定費の増加により利益が圧迫されやすく】、経営リスクが高まります。

→《注意》法人化したからといって「組織が安定する」わけではありません。設備費や人件費のウエイトが高い歯科医院は資本1回転で高い利益を生み出す必要がありますが、中規模は大規模医療法人と比べてマーケットにおける優位性を獲得しづらく、戦略なき拡大や設備投資は、むしろ崩壊を早める要因になります。

 

中規模医療法人の生き残りのカギは地域密着による収益性の高さなのです。

 

 

中規模医療法人は「地域密着No.1高収益率戦略」で勝負すべき

これからの時代、中規模医療法人は「地域に必要とされる医療法人」でなければ生き残れません。
都市部でも郊外でも、患者・スタッフ・行政・地域の中で、【どんな役割を担う医院なのか】を明確にして動くことが重要です。

大型医療法人は主に広域での空中戦を得意としていますので、地域を絞った地上戦を展開することで地域密着性で上回ることが出来るのです。

【先生の法人では、“どの商圏”で“どの診療重点”で“どの採用力”を武器に、マーケットシェアを取る戦略が明確ですか?】

 

もしお悩みであれば、診療圏調査、経営戦略立案、事業計画作成補助、組織構築の支援も可能です。
経営環境が厳しい今だからこそ、選ばれる医院づくりに本気で取り組むチャンスです。

 
 
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