歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

歯科医院経営コーチの森脇が歯科医院経営に関する情報や感じたことを気ままに発信します。会員限定ブログと違い誰でも読むことが出来ます。

歯科医院スタッフの採用と育成に欠かせない11のポイントとは?⑪これからは採用育成戦略と仕組みがない医院は人材を採用できない    [2025年04月11日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
 
歯科医院スタッフの採用と育成に欠かせない11のポイントとは?
 
 
①院長はいったいどんな歯科医院を作りたいのか?
②医院が目指す歯科医院のステージとそれに必要な人材の明確化
③苦し紛れの採用にならない為に必要な計画。採用してはいけない人材とは?
④チームメンバーと医院のレベルに合わせた仕組みの選択は出来ているか?
⑤医院ステージごとに採用と育成計画、仕組みをバージョンアップさせていく
⑥即戦力か?それとも育成か?
⑦募集しているのに応募がないという勘違いとは?
⑧結局、院長は個人的な好き嫌いで人材を採用しているって?院長との相性は?
⑨スタッフの退職が多い歯科医院の特徴チェックリスト
⑩応募してくる人材のレベルを上げたいなら医院レベルを上げるとは?
⑪これからは採用育成戦略と仕組みがない医院は人材を採用できない
 
のうち、今日は最終回「⑪これからは採用育成戦略と仕組みがない医院は人材を採用できない」です。
 
 
 
 

人材不足時代の到来と歯科医院の危機感

近年、日本の労働人口は急速に減少し始めており、2040年には医療福祉分野で約100万人の人材が不足するという予測も出ています。歯科業界も例外ではなく、特に地方や郊外の医院では、歯科衛生士や受付・診療スタッフなどの採用が年々難しくなってきています。

医療福祉分野は決して「不人気業界」ではありませんが、それ以上にマーケットが拡大しているため、人材獲得競争が激化しているのです。そんな中で、従来のように「募集を出せば来る」時代はすでに終わりを迎えています。これからの時代、歯科医院が人材を確保し育てるには、戦略的かつ継続的な取り組みが不可欠になります。

先生の医院では、採用と育成について中長期の戦略を立てていますか?

 


 

大規模・ブランド型医院が取るべき人材戦略

ユニット数が15台以上あり、スタッフ数も40名を超えるような大規模医院では、「人が集まる仕組み」を持つことが必須になります。

こうした医院はすでに一定のブランド力を持っていることが多いですが、今後はさらに地域内での存在感を高め、他業種を含めた“選ばれる職場”としてのポジションを築く必要があります。

例えば、「地域の子どもたちの将来を育む歯科医院」という理念を打ち出し、教育機関との連携を深めたり、地域イベントに積極的に参加したりすることで、「ここで働きたい」というイメージを作ることができます。

採用は広告だけでなく、“共感”によって人が集まる時代です。理念や取り組みに共鳴した人材を引き寄せられるような情報発信やインターン制度、職場体験プログラムなどを取り入れることが有効です。

また、5年先の人材構成を見据えて、新卒・中途ともにバランスよく採用し、育成計画を仕組み化していくことが求められます。

 


 

小規模歯科医院こそ「人間関係」と「仕組み」で勝負する

一方で、ユニット数が2~4台、スタッフ10名未満の小規模歯科医院では、予算や知名度の面から積極的な採用戦略を打つことが難しいかもしれません。しかし、小規模医院には「アットホームさ」や「一人ひとりを大切に育てられる環境」という強みがあります。

実際、「大きな医院ではプレッシャーが強そう」「人間関係に疲れた」という理由で、小規模医院を志望する求職者は少なくありません。こうした人材との出会いを逃さず、丁寧に育て、医院の“ファミリー”として迎え入れる仕組みが重要です。

また、少人数体制であるがゆえに、誰かが辞めたときの影響が大きくなりがちです。ですから、マルチタスクをこなせるスタッフの育成や、急な欠員にも対応できる業務フローの整備が欠かせません。

「仕組み化されているからこそ、人を大切にできる」という視点が、今後の小規模医院には求められます。

 


 

中規模医院の採用育成は「選ばれる理由」の明確化がカギ

最も悩ましいのが、ユニット6〜15台程度、スタッフ15〜30名規模の中規模歯科医院です。この規模では、ある程度の組織化が進んでいる一方で、知名度やブランド力では大規模医院に及ばないという課題があります。

こうした医院に必要なのは、「なぜこの医院で働きたいのか」を求職者に明確に伝える戦略です。たとえば、「訪問診療に力を入れて多職種連携にも取り組んでいる」「チーム医療における特定分野の専門的スキルを身につけられる」「予防と健康を軸に地域とつながる診療をしている」「地域のお店と協力して健康イベントを開催している」「地域行事やコミュニティにも積極的に参加している」など、医院独自の強みや理念を前面に出しネットワークを構築していくことで、“共感採用”が可能になります。

 

また、採用した人材が辞めずに育つ環境を整えることも同様に重要です。キャリアパス、OJTマニュアルなどを整備し、「ここで成長できる」と感じられる医院づくりを進めていく必要があります。

そしてチームメンバーが共通目標の実現に向かって一体となる関係性を作ることも新たな戦力を受入れる土台づくりになります。

 

先生の医院では、「どんな人に、なぜ選ばれる医院を目指すのか」をスタッフと共有できていますか?

 


 

採用戦略の失敗は経営の根幹を揺るがす

採用と育成は、単なる人手確保の話ではなく、医院の存続や成長そのものを左右する経営戦略の柱です。人材を確保できなければユニットは空き、予約が回らず、結果的に売上も下がっていきます。分院展開や事業拡大も人材が伴わなければ破綻してしまうリスクを孕んでいます。

「採用できなかったらどうするか?」ではなく、「どのように採用し、育てていくか?」を戦略として組み込むことが必要です。そして、その戦略に根拠があり、スタッフにも共感されるものでなければ、継続的な成功は望めません。

今後は「採用と育成の仕組みを持たない医院は、生き残れない」と言っても過言ではありません。医院の未来を左右するこの重要なテーマについて、今こそ院長が時間をかけて向き合うべき時です。

 


 

採用育成戦略は、「医院」「スタッフ」「患者」すべてにとって三方よしの経営を実現するための土台です。自院に最適な戦略と仕組みは何か、ぜひ考えてみてください。

 
 
 
 
 
★こちらもご覧ください。
初めての方→ ご挨拶
どんなサポートをしてくれるの? サポートメニュー
 
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
経営相談のお申込みとお問合せ
Posted at 05:00
 
<<  2025年04月  >>
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
森脇康博のFacebook
講演依頼
プライバシーポリシー
三方よしビジョン達成サポートのホームページ