どれだけ経営計画やマーケティングに力を入れても、医院を支えるのは“人”です。
院長のビジョンを形にし、治療の質を安定して提供するには、育成されたスタッフの存在が不可欠です。
今回は、歯科医院経営の本質⑤「チームビルディングと長期雇用」について解説します。
他院で成功しているカリキュラムやツールを導入しても、自院でうまく機能しないと感じたことはありませんか?
その原因の多くは、“実行するチームの成熟度”にあります。
例えるなら、プロゴルファーが使うクラブを初心者が持っても結果が出せないように、優れた制度やツールも、それを活用できるだけの組織力が必要なのです。
医院の規模を拡大しても、リーダーが育っていなければ組織のパフォーマンスは上がりません。
むしろ院長の業務量だけが増え、疲弊するケースもあります。
● リーダー不在で、院長が細部まで指示を出す
● 育成の仕組みが整っておらず、新人スタッフが長続きしない
● ベテランスタッフが辞めるたびに仕組みが崩れ診療がバタつく
このような医院は、長期的に成長し続けるのが難しい状態です。
人生には、結婚・出産・介護など、スタッフが一時的に離れる出来事が起こります。
その際、「戻れる場所」があることは、スタッフにとって安心感を生み、医院の“信頼資産”にもつながります。
● 柔軟な勤務制度(時短勤務、曜日限定など)
● 結婚・出産後の復職支援
● 育成履歴の管理で復帰後の再教育をスムーズに
一度辞めた人が再び戻ってくるような医院は、それだけで信頼されている証拠です。
ただ、すべての歯科医院にライフイベント後に戻れる環境がある訳ではないし採用力がある訳でもない。だから、医院の経営戦略を練る前には「戻れる環境を作れるのか?」「今後、安定的に人材を確保することが出来るのか?」を先ずは考えておく必要があるのです。
長く働くスタッフが育つことで、医院には以下のような“目に見えない資産”が積み上がっていきます。
● 患者との関係性の継続、ブランド価値の表現
● 医院の価値観・接遇・業務知識の継承
●オペレーションの安定
●経験曲線効果による生産性の向上
●分業化、組織化、分院展開する場合には核となってくれる
●難易度が高い仕組みを上手く扱える様になる
● 新人教育やマニュアル整備の文化
これらは“組織の再現性”を高め、新人でも一定レベルのサービスを提供できる医院を実現します。
そして、新人スタッフを即戦力としなくても診療が回るので、ジックリと育ててあげることが可能になるのです。
● チーム力が育たなければ、仕組みも戦略も機能しない
● リーダー育成・教育制度・復職支援の仕組み化が必要
● 長期雇用によって、医院の“組織品質””生産性”が高まる
先生の医院では、スタッフが「ずっとここで働きたい」と思える職場づくりができていますか?
人材が定着し、再び戻ってきたくなる医院づくりこそ、経営の持続性を高める最大の戦略です。
生産性を高めるチーム作りは私の得意分野ですので、
●退職者が多い
●チームリーダーが育たない
●生産性が向上しない
●長期雇用できる医院を作りたい
という場合にはご相談くださいね。