おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
「歯科の院長がチームビルディングで失敗し易い10の理由」
今日の記事は、
①院長、チームメンバーの行動特性と成長度、医院規模によって作れる組織が違う
②チームには医院レベルに合う人材が集まってくる
③組織理論は実学を積み重ねた人材の集団でしか再現できない
④院長は地位と権限以外でスタッフを動機づけられるか?
⑤コントロール型の院長が指示待ちスタッフを生み出すって?~コントロール偏重は永遠の苦悩の始まり
④院長は地位と権限以外でスタッフを動機づけられるか?
⑤コントロール型の院長が指示待ちスタッフを生み出すって?~コントロール偏重は永遠の苦悩の始まり
⑥コントロール力の使い方と脱コントロール(権限委譲)のタイミング
⑦学びと実践による負荷を受入れる事でしか理想の場所には辿り着けない(脱ぬるい職場)
⑧スタッフが言う「院長が言い出し最初に止める」とは?リーダーの覚悟について
⑦学びと実践による負荷を受入れる事でしか理想の場所には辿り着けない(脱ぬるい職場)
⑧スタッフが言う「院長が言い出し最初に止める」とは?リーダーの覚悟について
⑨院長が知っておくべきチームの成長ステージ
⑩人を育て人が育つ三方よしな組織が一番強い理由とは?
の「④院長は地位と権限以外でスタッフを動機づけられるか?」です。
院長が歯科医院経営で苦戦し易いのが「スタッフマネジメント」でしょうか?
スタッフとは雇用契約を結び、スタッフも社会人なので院長が願う通りの役割を果たすべきだと考えがちですが、地位や雇用関係でスタッフを動かそうとすれば失敗し易いからです。
では、スタッフが自走するまでの過程においてどういうアプローチが有効なのでしょうか?
少し考えてみます。
程度の差はあれ、多くの医院で使われているのが「外発的動機づけ」です。
「患者の健康と医院理念の実現の為に自分を成長させていく」
「その為に毎日努力する」
という内発的動機をすべてのスタッフが持っている訳ではありませんので、チームメンバーを「自己実現レベル」まで引き上げていく必要があるからです。
しかし、外発的動機づけは短期的には効果があっても長期的には効果が出せない。
そして外発的動機は副作用がある劇薬ですので、それを理解して使わないとチーミングに悪影響を及ぼすのです。
外発的動機づけの制度には、
・インセンティブ、一部歩合制
・業績による賞与の上乗せ
・評価制度
などがあります。
完全歩合制はプラスの動機づけというよりは、成果を出さないと十分な給与を受取れないという強迫心理の方が強いですので、売上は上がっても様々な問題を引き起こすのです。
これらの手法は「経営的成果を出す為にチームメンバーをどうやって動かすか」という視点に立っており、スタッフは「生活の為に頑張る」という心理になり易いのです。
だから院長がチームメンバーのマインドを育てて一流の歯科医療従事者にしたいと考えるのなら外発的動機づけを最小限に止めて内発的動機を生むアプローチを併用していく必要がある。
しかし、ここでも外発的動機づけに頼りやすいのです。
それは「褒める」ことで承認欲求を満たすことです。
「叱る・怒る」と違って「褒める」というアプローチはチーミングにおいて有効に思われるのですが、褒められて行動が強化されるということも外発的動機づけであり褒められなくなれば行動への動機を失うことになる。
だから使い過ぎには注意が必要なのです。
アドラーが言う「褒める」と「勇気づけ」の違いはここある。
勇気づけは良くても褒めることで動かし続けるのは駄目。
「褒める」は上の立場から下の立場への評価であり依存環境を作ることに繋がるのです。
上手く表現できませんが「褒める」は意図する場所までメンバーを引上げようと操作することであり、「勇気づけ」はメンバーが行きたい方向に行こうとする背中をそっと押すことでしょうか。
そして外発的動機づけには「指示で動かす」もある。
もちろん、歯科医療や歯科治療に関する知識が無い人には教育をしながら指示によって動かすというティーチングの段階があります。
しかし、本来は「教えながら任せる⇒任せきる」に移行していくことが必要であり、いつまでも指示をしていてはいけない。
この辺りを理解していない院長が「指示待ちスタッフ」を生みだすのです。
「先生に院長、雇用主という立場が無くなったとして、それでもチームメンバーは先生の言葉に共感し、先生の理想の実現を応援したいと思うでしょうか?」
月曜日のブログではここについて書きたいと思います。
テーマ:スタッフ育成、チームビルディング
Posted at 05:00