おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院経営とマネジメントで失敗しやすい12タイプの院長
①全方向打出し院長
②落とし込み中途半端・丸投げ院長
③研究者気質の院長
④安定・現状維持院長
⑤経営無関心・感覚経営院長
⑥戦略なし拡大院長
⑦憧れ⇒欲しい⇒買う院長
⑧俺様・無茶ぶり、上から目線院長
⑨スタッフ間の人間関係放置院長
⑩お金儲け偏重院長
⑪イノベーター・マニアック院長
⑫夢追いフワフワ院長
のうち今日は「⑥戦略なし拡大院長」です。
近年、積極的に医院規模を拡大される院長が増えていると感じます。
経営規模を大きくする基本的な方法は1つの医院で大きくする方法と分院展開がある。
そして、最近は従来の歯科医療の範囲外のコンテンツを含めてターゲット層を総合的にカバーする大型医院が出始めているのです。
強者の戦略に立ち、ある分野の地域における一定以上のシェアを取ることができれば優位になる。
患者はその分野の治療を受ける時に最初にシェア率が高い医院を思い浮かべますので、その地位を保つことができれば安定的な収益の柱になるのです。
また、超大型歯科医院や大型歯科医院クラスになりますと採用面でも優位に立つことが出来ます。
子を持つ親であれば経営が安定していて給与や職場環境の良い会社に子どもには勤めて欲しいと考えますので、そういう意味でも規模の優位性はあるのです。
一方、大きくなればなるほど経営のリスクも高まる。
リターンも大きいがリスクも大きいのが大きな法人なのです。
実際に大きな歯科医院でも経常利益率はマチマチで(役員報酬をどれ位取るかにもよりますが)、安全余裕率が低い法人はメインの治療コンテンツの業績の悪化で倒産してしまうリスクがある。
固定費負担が大きく年々増えていきますので収益の柱を複数育ててリスクを分散し、一人当たり生産性を高めることを意識して手を打たないと次の投資が出来なくなるのです。
だから、医院を拡大していく場合にはきちんとした戦略が必要です。
小規模な分院を数件展開している程度では分院長が退職した後を見つけることが出来ないということも起こりうるので、分院展開する場合には院長に経営者としての覚悟が必要。
勤務ドクターや歯科衛生士の争奪戦は今後ますます過激になっていきますので戦略なしで拡大してはいけないのです。
もちろん、医院の規模を拡大した時点で強い競合と戦うことになります。
強い競合が入ってこない地域なら相対的な優位性は保てるかもしれませんが、自費コンテンツで広い診療圏から患者を集める戦略がなければ収益面では苦労することになる。
高齢化率が高い地域ならう蝕需要の減少も早いですので、戦略的に攻めるのか?それとも戦略的に縮むのか?を決めて行動に移さないと収益性の悪化はジワジワと進むのです。
だから「友人が分院を出したので俺も・・・」なんて戦略のない拡大は危険ですので、拡大による収益の確保の道筋を明確に描けない場合には慎重にお考えくださいね。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00