おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院経営とマネジメントで失敗しやすい12タイプの院長
①全方向打出し院長
②落とし込み中途半端・丸投げ院長
③研究者気質の院長
④安定・現状維持院長
⑤経営無関心・感覚経営院長
⑥戦略なし拡大院長
⑦憧れ⇒欲しい⇒買う院長
⑧俺様・無茶ぶり、上から目線院長
⑨スタッフ間の人間関係放置院長
⑩お金儲け偏重院長
⑪イノベーター・マニアック院長
⑫夢追いフワフワ院長
のうち今日は「⑤経営無関心・感覚経営院長」です。
このタイプの院長は二つに分かれると思います。
一つ目は経営に無関心であっても患者のことを思って治療技術を高め、患者やスタッフとしっかりとコミュニケーションも取ることから口コミによって患者がどんどん増えていく医院。
院長は自然なままで院内の人間関係を良好に保つことができていて、患者に真摯に向き合おうとされるのでスタッフも同じように患者に丁寧に接する。
医院の規模に関わらず、経営面での対策は特にしていないのに患者が押し寄せる医院は昔からありました。
こういう医院では患者との距離も近く、患者の家族関係やライフイベントなどもスタッフは自然と把握しています。
そして患者が家庭菜園で取れた野菜などを持ってきたり院長も地域のイベントに参加されるなど、患者との間に壁がないので口コミや紹介で患者はドンドン増えていくのです。
医療機関経営が厳しくなってきて経営面の重要性は増していますが、こういう医療機関はずっと残っていくのだと感じます。
もう一つのタイプの院長は治療には興味はあるのですが人間関係の構築と経営は苦手で踏み込まない院長です。
診療には真面目に取り組まれるので一定数の患者は集まります。
しかし院長がチャレンジをしてスタッフを巻き込んでいくということがありませんのでスタッフも作業レベルで働いており、売上も頭打ちになっているのです。
こういう院長が経営面で危機感を感じた時に経営セミナーに参加する。
そして見様見真似で学んだことを実践しようとするのですが、スタッフも育っていませんし院長も落とし込む覚悟が出来ていませんので上手くいかないのです。
ホームページを含めて様々な経営対策も一通りされるのですが、患者が増えていく為の院内の仕組みを構築してきていませんので成果には繋がりにくい。
そしてスタッフとの信頼関係も構築出来ていませんので、スタッフは業務が増えることに不満を感じる様になっていくのです。
これから歯科医院を取り巻く経営環境は悪化していきますので、「経営面を考えなくてもなんとかなってきた院長」が苦戦していくと感じます。
「井の中の蛙」の様に、外を覗いてみたら時代が大きく変わっていたと慌てても短期間でできる事は限られるからです。
・スタッフや患者との信頼関係の構築
・スタッフと院長が成長し続ける為の仕組み作り
・エッジが立つ治療技術の獲得
・院内の治療システムの改善
・患者コミュニケーションシステムの改善
・経営面における収益性の改善
・時代の変化に対応した経営戦略
などを時間をかけてコツコツと取り組むことで医院のステージが上がり、広告なども併用することによって地域の認知度が上がり経営が安定するのです。
だから後者の院長は経営面でかなり厳しくなっていく。
「(時給1500円を)払えない企業は退出する。払える企業に移る方が間違いなく人々の生活はあがる」という新浪氏の昨年の発言が話題になりました。
これは医療機関の院長も私たち個人も同じだと感じます。
これから保険医療機関を守ってきた診療報酬体系が逆に院長を苦しめる存在になっていくと感じます。
「変化するものだけが生き残る」
その言葉を実践できるかどうかが問われているのです。
Posted at 05:00