おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
様々な歯科医院を見てきて感じるのは、医院ごとに院内の雰囲気や時間の流れ、規模、治療コンテンツ、治療システム、接客、などが違い、同じ保険診療の医院でも集まっている患者層が違うという事です。
では、どんな価値観の患者がいてどんな価値観の患者がどんな歯科医院を選ぶのでしょうか?
少し考えてみたいと思います。
患者の健康観に影響する要素として、
・親の健康観や健康教育
・地域の健康指数、文化と行政の保健施策
・教育を受けた経歴
・交友関係
などがあると考えます。
世帯所得が教育環境に影響することから所得が関係するという声もありますが、歯科医院で働くスタッフは熱心に子どもにも歯みがき指導等をすることから、やはり受けてきた教育や生育環境が健康観に影響すると私は考えています。
歯科医院には様々な要望を持った患者が来院します。
保険診療は統一価格なので価格設定によって来院する患者を選ぶという事は出来ませんが、それでも医院ごとに集まる患者の健康観が違うので、やはり医院が打ち出すメッセージと院内でされている表現によって特定の患者層に支持される様になるのです。
患者層で分かり易いのが「急患層」です。
・ダツリした技工物だけをつけて欲しい
・痛みを取ってもらったら来院しなくなる
・主訴以外の治療はしたくない
という患者は、
・予約なしでも急であっても診てくれて
・検査なしでも診てくれて
・短い時間と治療回数で診てくれて
・お願いした治療だけをしてくれて
・治療中断や無キャンをしても次回も診てくれて
・説教されない
という自分の希望をかなえてくれる歯科医院を探しています。
「予約外なので長い時間待ちますよ。それでも良ければ」と伝えたのに少し待っただけで「まだですか?」という患者もいるのです。
「今度は真面目に治療します」とドクターに言ったのに次回予約を無キャンされた経験は多くの院長がされているでしょう。
本当に真面目に治療に通う患者も何人かいますので院長も「何とか健康にしてあげたい」と思うのですが、一定数は確実に中断となって医院スタッフは裏切られた気持ちになるのです。
では、そんな急患に歯科医院はどの様に対応していくべきなのでしょうか?
それは院長の思いによると考えます。
経営面だけでいけば急患を受けだすと急患が集まりだしますので止めた方が良いのです。
急患が集まる医院には健康観が高い患者が寄り付きにくくなりますので、長期管理型は目指せないからです。
ただ院長に「頼ってくれた患者を健康にしてあげたい」という気持ちが強いのならば、無キャンや中断を覚悟のうえで急患で来院する患者と正面から向き合うのも良いと思います。
ただし、急患の要望を聞くだけでなく相手のことを思ってちゃんと治療するべきだというメッセージを伝える必要がありますので、そいう患者を救いたいとお考えの場合は医療の視点から考えれば尊いと感じるのです。
実は急患が集まるのも集まらないのも院長が無意識的に受付スタッフに指示している言葉で決まる。
新患が集まらない時には急患であっても受けようとしますし、マーケティング手法によっても急患が集まり易くなるのです。
ホームページに無意識的に乗せたメッセージで急患が集まることもありますので、ご自分がどんな患者を大切にして一緒に歩みたいのかを考えてみてくださいね。
次回のブログでは健康観が高い患者がどんな歯科医院に集まるのかを考えてみたいと思います。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00