おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院経営では院長が「売上」「変動費」「固定費」「利益」との関係を正しく理解しておく必要があります。
そしてそれぞれの項目をコントロールする方法を身につけること。
昔は税金を減らす為に減価償却費が減ってきたら設備や医療機器を買い替える院長がおられましたが、それでは税金は減りますが残るお金も減らすことになるのです。
実際には設備は長く大切に使った方が収益性は向上します。
また、自費補綴治療やホワイトニング、アライナー矯正などの価格を周りの歯科医院との価格競争に勝つために下げる院長がおられますが、それは医院経営にとって大打撃となる可能性があるのです。
例えば固定費が変わらない場合に売上が10%増減した場合にはどうなるでしょうか?
周りの歯科医院との競争で自費治療価格を10%引き下げたら「利益」はどうなるでしょうか?
10%減??? いえいえ利益は80%減るのです。
逆に自費治療価格を10%引き上げれば利益は80%増えることになります。
歯科医院の収益性は、損益分岐点を超えた後に売上をどれだけ伸ばせるかにかかっています。
何故なら損益分岐点を超えた以降の売上には固定費がかからずに収益性が高いからです。
新発売の大型テレビが数年経てば発売当時の半額近くで販売されることも同様です。
開発費や広告宣伝費を回収する為の販売台数を超えてしまえば安く売っても利益は確保できるのです。
では、先生の医院では自費治療価格を値上げしていけるでしょうか?
人件費が上がり、材料費や外注費などが値上がりしていく中で自費治療の収益も確実に圧縮されています。
そんな中で歯科医院経営を維持していくには保険治療の収益性の悪化分も含めてどこかでカバーしなければならないのです。
自費治療の価格を上げていけるかは先生の医院がどんな治療コンテンツを提供できるのかで決まる。
例えば、汎用性がある商品で供給量が多いなら競争によって価格は下がる傾向になります。
そして需要はあるのに供給が少なければ価格は高く維持できるのです。
だから値上げができるかどうかは地域の患者が先生の医院の治療ブランドをどの様に評価しているのかで決まります。
治療ブランドが高く評価されていれば周辺の歯科医院より自費治療価格が高いとしても患者は当然だと思ってくれるのです。
院長がどんな治療の技術を磨き、医院に複数の治療ブランドを確立できているのか(多角化)。
それによって値上げが出来るかが決まり今後の医院経営の安定性が変わってきます。
だから、院長はどんな治療技術を磨いてエッジを立てるのかを決めてブランド化に取組み、他の医院との差別化をする必要があるのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00