おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院経営やチームビルディングに関わっていて感じるのは「経営数値の達成」では人をやる気にさせることは出来ないということ。
もちろん、経営的な結果を出せなければ診療も続けられなくなるのですが目的を達成する為の手段である数値目標達成だけではチームを鼓舞することは出来ないのです。
その事はミーティングで院長が経営の数値について話された時のスタッフの表情を見れば分かります。目的と手段との関係性が正しくチームに認識されていない場合にはスタッフは浮かない顔をするからです。
一方、スタッフ面談で「歯科医療従事者としてどうあるべきか?」「患者にどう寄り添うべきか?」という視点で話すとスタッフの目が輝き出す。
だから院長は「数値目標を達成することで医療としての目的も達成できる」とスタッフが認識できる様に話し方を工夫する必要があるのです。
院長は目的から分離して手段である経営数値を扱う傾向がありますが、医療に関わるスタッフは感情的に共感できなければやる気には繋がらない。
例えば、患者に自費治療を提案する目的をスタッフが「お金の為」「患者の為」のどちらで認識しているのかが重要なのです。
ミーティングで「自費売上目標が達成できていない」なんて手段を目的化させる話し方をしていませんか?
私は「歯科医療として正しいことをすると経営的な成果が出る方法」を見つけてから自信をもってスタッフに提案できる様になりました。
スタッフに「歯科医療としての目的を達成する為に定量的に現状を見える化して改善していく必要がある」と伝えると前向きに取り組んでくれるのです。
経営的な数値は細かく測定・分析して対策を打つ必要がありますがスタッフへの提案の仕方によってはやる気には繋がらない。
というより、院長の頭の中で「医療」と「経営」が分離していることが問題なのです。
例えば、キャンセル率中断率を下げることは歯科医療として必要不可欠なことです。
それは経営的にどうこうということではなく「患者の現在の健康と未来の健康」に直結するからです。
私ならスタッフにこう話します。
「予約をキャンセルした患者や治療を中断した患者も、一旦はうちの医院を信頼し選んでくれた方々ですよね。」
「だから私たちはその信頼と期待に応える必要があるし、患者が離脱しないで定期管理で通い続ける医院を目指さなければいけないと思うのですが〇〇さんはどう思われますか?」
そして、目的について共感を得ることが出来れば、
「でも患者が離脱しない医院に近づいているかどうかは数値で見える化しないと判断できないでしょ」
「だから、キャンセルや中断の状況を見える化して皆で改善に取組み、来院していただいた患者を健康に導いていきませんか?」
「歯科医療としてどうあるべきか?」という所に経営的な問題を解決する為の答えがある。
そう強く感じます。
スタッフが「グレーなことや患者さんの為にならない事をさせられている」と感じた時点でやる気は起こりませんし、やる気が起こらないスタッフをコントロール力を使って無理やり動かそうとするとチームが壊れていくのです。
「スタッフは心から共感できる目的を達成する為になら全力で取り組んでくれる」
だから、院長がスタッフの心に火をつける事が経営的に医院を安定させる唯一の道なのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00