おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院のミーティングを見学すれば歯科医院の組織レベルが分かると感じています。
・心理的安全性(院長や幹部とスタッフとの関係性)
・院長の考え方
・院内の役割(権限)分担が機能しているか
・司会のファシリテート能力、準備力
・ミーティングにより目的が達成できるか?
がミーティングを見学していると浮き彫りになるのです。
本来、全体ミーティングは、
・個人とチーム、部署、全体の方向性を一致させ組織内の団結を図る
・経営環境の変化、会社の到達点(成果・課題)、情報を共有する
・全体学習
を目的として開催されますが、医院が小規模な間は様々な議題が混在してミーティングで話し合われます。
本来であれば医院の規模が大きくなるのに合わせて幹部や各部署に権限が委譲され、全体ミーティングを待たなくても課題が解決されていくのですが、組織化について理解されていない場合には医院規模が大きくなっても様々な議題が全体ミーティングで話し合われるのです。
そして院長が様々な議題に介入する歯科医院もある。
この時点で、その医院ではチームメンバーの育成と権限の委譲が上手くいっていないことが分かりますし院長がトップダウン気質であることも分かるのです。
医院規模が大きくなっていくのに幹部が育たず権限の委譲ができていない医院でどんな問題が多発するのかは決まっています。
だから私がサポートさせて頂く場合には医院の状況とカラーに合わせた組織の作り方を院長にご説明しながら組織づくりをスタートさせるのです。
組織づくりの基本は、チームメンバーそれぞれが個性と成長度に応じた役割を担い、自分たちが掲げる目的の達成の為に懸命にその役割を全うしようとする状態を作り上げることです。
院長や幹部が権限を手放さずに指示型で組織を運営していればその時は楽でしょう。
しかし医院が大きくなるのにあわせて院長が加速度的に忙しくなり、運営が上手くいかなくなり組織化ができていない事に気づくのです。
成長の為に必要なステージを用意されず、壁を自力で乗り越えた経験をさせてもらえないスタッフが成長できるはずがない。
だって、院長や一部の幹部がすべてを決めてその他のスタッフは指示通りに動くしかないからです。
余計な改善提案などをすれば駄目だしされますので、段々と言われた事しかやらなくなっていくのです。
組織発展の最終形態は自律的メンバーが役割分担による運営をおこない最後は幹部さえいなくなること。
その為には幹部などの「役割」が「地位」となることはあってはなりませんし、次世代を懸命に育てようとしなければ自律的な組織は願望で終わるのです。
スタッフの成長の種に火がつき、院長がサーバント的に成長環境を整備していけばスタッフは自分の力で成長を始めます。
院長が成長環境をどれだけ作れているのかが表れるのがミーティングであり、院長が何も指示しなくても目的の達成に必要なミーティングをスタッフの意志で開催できている状態を作ることが必要なのです。
院長は開業した初期にはチームメンバーと深く関り、チームメンバーと組織の成長に合わせて権限を手放し距離を取っていくべきです。
でないとチームメンバーは成長を実感できず、成長意欲に火がついたスタッフは成長環境を求めて他医院(他業界)へと旅立っていくのです。
Posted at 05:00