おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
院長にはご自分が理想とされる歯科医療をチームメンバーと提供していただきたい。
開業医団体に勤務していた時代からそう考えてきました。
ただ、30年位前から保険医療を含む社会保障制度は縮小再編されていくことが決まっており、今朝も佐世保市で地域医療を支えてきた病院が破産手続きを開始したとの記事に地域医療がどうなっていくのか不安な気持ちになったのです。
現在、地域医療構想に基づいて病院の再編が進んでいます。三次、二次、一次の医療機関はどれ位必要でMRIなどの医療機器はどれ位、各科のドクターは何人位必要か?という試算をもとに改革が推し進められているのです。
その影響はジワジワと歯科医療にも及ぶようになっていきます。
歯科医院も国が考える地域ごとの適正医院数を大幅に超えている地域があれば、適正数をすでに割り込んでいて新たな開業が長年ない地域もある。
そういった偏在に対しても最初はインセンティブを使って、そして最後は強制力を使って対策をおこなう形で地域医療構想が推し進められる。
そしてそれらを推進していくのは国ではなく都道府県です。
医療機関の院長の多くは自分の目の前に問題が現れてから慌てだす。
しかし、歯科医院経営の先頭集団を走る院長は国の今後の医療政策を読み、地域医療構想によって開業している地域がどう変わっていくのかを把握して経営ビジョンを立てているのです。
令和6年の歯科診療報酬改定がプラスになっていない歯科医院は国の医療政策についていけていない証拠です。
国の医療政策と地域の経営環境の変化を読み、先生の医院の経営ビジョンを達成する為の戦略を立てられるか?
そこが問われるのです。
ベースアップ評価料も医療機関の経営実態、給与実態を把握する為の手段の一つ。
2030年頃に向けて医療機関の経営と診療の実態は医療DXによって丸裸にされていく。
国は水面下で次の時代に向けた準備を着々と進めているのです。
保有する金融資産によって税金や保険料、年金受取額などが変わる時代も想定より早くやってきそうです。
歯科医院が売上を上げながらスタッフの給与も上げていき、院長が描く理想の歯科医療を提供していくには「経営ビジョン」「戦略・戦術」が必要不可欠。
ジリ貧になりながらも対症療法で起こった問題に対応していくのか?
それとも根本療法でこれからの10年を乗越えていける歯科医院を作るのか?
選択するのは経営者である先生なのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00