おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院では「スタッフが成長して医院も発展していく所」と「スタッフが退職していく医院」の差がどんどん拡がっています。
規模が小さくてもスタッフと一緒に地域医療に欠かせない部分を担っておられる院長と、規模が大きくても退職者が多くマンパワー不足に陥っている医院があるのです。
国の調査で入職者と離職者の差である入職超過率は医療分野では2021年には少し改善しましたが2022年には「0.00%」に落ち込みました。
つまり高齢化によって医療関連に必要な人材数は増えているのに入職した人材と同じ数の人材が他業種に転職しているのです。
残念ながらリスキリング支援等によってこの傾向は更に悪化することが予想されます。
では、苦労して採用した人材を失わない為に何が必要なのでしょうか?
スタッフが退職する理由の2大要因は
・院長(ドクター)との人間関係
・院内の人間関係
です。
ライフイベントによる退職を除いた上記の二つの要因による退職を減らすには、
・正しいチームビルディング
・育成の仕組み作り
・メンタルサポート
・働き続けられる環境づくり
の整備が必要なのですが、医院規模に関わらず上手く構築できていない医院が多いと感じます。
ではスタッフが退職しない為の条件について考えてみます。
医療や介護、福祉関係に入ってくる人材はとにかく人に貢献したいという意識が強い人が多い。
中には「私にも出来そうで待遇が良いから」という人も応募してきますが多くの場合には早めに退職してしまう。
だから、院長は「人に貢献したい」と考える人たちが成長したいと感じる様に動機づけをする必要があるのです。
スタッフの退職が多い歯科医院ではこれと逆のことをやっています。
そして「退職するのはスタッフに問題がある」と考え「働き甲斐を感じてもらう為に何が必要か?」を追求しませんので、いつまで経っても人が定着しないのです。
ちなみに上記の二大要因で退職するスタッフのほとんどは本当の退職理由を言いません。言っても院長が問題を解決してくれる訳ではなく院長自体を信頼できない場合も多いので「仕方がない」と院長が思う理由を言うのです。
ではスタッフに応援されない院長の特徴です。
・とにかく「売上、自費、数値目標達成」と言う
・歯科医療としてやるべき事をやらない
・過剰な仕事の負荷をかけていることに気づかない
・法律違反
・故意である不当請求
・患者への思いやりが感じられない
・患者の悪口を言う
・スタッフによって態度を変える
・スタッフを駒として使う
・日によって機嫌の良し悪しが変わる
・スタッフとの会話が少ない、意見を尊重しない
・患者と地域に貢献しようとする姿勢が見られない
・人間的に信頼できない
・歯科医療従事者として尊敬できない
・人に厳しく自分に甘い
・怒りっぽい
・事業者に対する姿勢が高圧的
・言動がコロコロ変わる
・言動不一致
・スタッフを育てない
・成長したスタッフの活躍の場が存在しない
・新人育成を最初から任せ放し
・スタッフが働きやすい環境を作らない
など、スタッフが描いている理想の院長像との乖離が大きければ退職に繋がり易いと感じています。
でも、人間とは不思議な生き物で自分がそうなっているとは思わないのです。
若手の院長の中にはここを勘違いしている方がいて、自分が正しいチームビルディングをしていないのにスタッフに求める要求が高くダメ出しをするのです。
でもそんな事を続けていたら院長が描いた理想はどんどん遠くに離れ霞んでいくのに・・・と残念な気持ちになります。
歯科医院経営で成功するにはスタッフから尊敬される存在を目指すこと。
その為にやることは多いですが人が定着しない組織は労働集約型の事業においては致命的な弱点なのです。
さて先生はご自身のことをどう内観し尊敬を集める院長になる為に何を付け加えられますか?
人に応援される事業にしか未来はない。
そろそろ本物だけが生き残れる時代に入ってきたと感じるのです。
Posted at 05:00