おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
私は年末年始は2024年の医療介護同時改定に向けて、過去の診療報酬改定や審議会、財務省などの資料、世界経済や日本経済、大手企業の戦略などに関する資料や書籍を読み返して今後の改定の流れを予測したり、クライアントの医院がどういう戦略を取れば良いのかについて考えていました。
クライアントの医院も一件一件経営環境や経営資源が違いますので取るべき戦略や組織づくりも違います。もちろんお一人お一人大切にされている価値観(理想)も違いますので、経営が成立すれば何でもよい訳ではないのです。
さて、2023年一つ目の記事は「年始に院長に必ずやっていただきたいこと」です。
それは、2023年に何に取り組んで何を実現するのかを数値も含めてチームメンバーに説明することです。
私が歯科医院のスタッフと話していてよく聞くのは「院長が何を目指していてこれからどうしたいのかが分かりにくい」という話です。
特に経営セミナーや医院見学に行くと新しいことを始めるが少しやって上手くいかなければ諦めてしまうというのは院長アルアルで、院長に一貫性がないと捉える場合が多いのです。
もちろん、スタッフも一貫性をもって行動できていない場合が多いのですが、トップである院長には「群れを率いて守っていくリーダーとして相応しいのか」という目が注がれているのです。
院長が医院の方針に一貫性を持たせることはとても大切です。
もちろん、緊急性があって対応しなくてはいけないことも多くあるのですが、その時には「なぜ、そのことに緊急に対応しなくてはいけないのか」を先ずは幹部スタッフに伝え、幹部スタッフから丁寧に全体に説明する必要があるのです。
・目標に向かう意義と必要性を全員が理解できているか?
・目標達成までの道筋は明確に示されているか?
・メンバーひとり一人が目標達成の為に果たすべき役割を理解して行動に移せているか?
・リーダーは目標達成を目指すチームメンバーをまとめ鼓舞することができているか?
・リーダーに何が何でも目標を達成すると言う覚悟があるか?
など、目標を共有して達成するまでに必要な要素を欠かさずに実行できるのかが問われるのです。
ちなみに大きな医院が意思統一されにくく小さな医院が意思統一し易いというのは間違いです。
理由は「伝える」と「伝わる」の違い。
院長の理想を院長が理解しやすい言葉で発信しても「伝わる」とは限らないからです。
本当に伝えたいのならば「相手が理解しやすい言葉」で話す必要がある。このことは患者へのモチベーションでもスタッフ教育でも共通しているのですが、院長だけでなく多くの人は「言葉で説明したら伝わる→理解できないのは相手が悪い」と考えてしまうのです。
また、経営の才覚がある院長は経営を仕組化しなくても感覚的にどうすれば経営が上手くいくのかを良いのかを知っておられます。
だから、院長がトップダウンリーダーシップを発揮する限りにおいては目標達成までの過程を仕組化しなくても結果は出せる。
ただ、その院長の才覚が組織づくりにおいては仇となる。
目標達成のリーダーを院長しかできない状況を院長自身が作ってしまうからです。
じゃあ、幹部スタッフが院長の「スキルと感覚で結果を出す方法」を真似できるのか?と言えば答えはNOです。
プロスポーツでもそうですが、感覚は個人個人で違いますので「手順通りにやれば結果を出せる仕組み」を作らなければ80点の合格点を取れるようにはならないのです。
院長の才覚で医院経営をおこなう歯科医院はある意味「経営におけるリスクが高い歯科医院」でもあります。
だから、チームメンバーが成長して「経営ステージ」に関われるようにしていくには、面倒でも「幹部を育てる仕組み」を作り権限を委譲することが不可欠になる。
その為には「昨年掲げた目標が達成できたのか?改善点は何か?」や「今年は〇〇を実現させる為にどんな事に取り組むのか?」を全体で共有する時間が必要なのです。
先生の医院はどうでしょうか?
経営のノウハウが院長の頭の中にしかなく院長がいなくては目標が達成できない組織を作っていませんか?
今年はそんな組織から脱却する一歩を踏み出してくださいね。
では、今年も頑張って歯科医院経営ブログを更新していきますので、応援よろしくお願い致します。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00