こんばんは
私は「保険で良い歯科医療」が実現できる社会を望んでいます。
しかし、日本の医療制度はそれとは逆に進んでいます。
とても残念なことなのですが、歯科医院の経営が成り立たなくなれば国民が受ける影響も大きいので、歯科医療を守る為にも問題提起を続けたいと思います。
来年の医療介護同時改訂に向けた5月の中医協の検討資料を見ますと、「地域包括ケアシステム」「か強診」一色です。外来環の届け出歯科医院は年々増え、平成27年7月で10,944件。「か強診」の届け出数は平成29年4月で7,031件となっています。
来年の改定をにらみ、院長としては「か強診」を取得する為に準備をするのか、それとも別の道を探すのか決断が迫られています(衛生士確保対策も含め)。
国は2025年に向けて医療費の削減にやっきになっています。将来的に公的な医療や介護が縮小するだけではなく、国民の税や社会保険料の負担も増え、生活を優先し口腔内の健康にお金を払えない人も増えるのです。そういった人達の口腔内がどうなるかは言うまでもないでしょう(とても残念ですが・・・)。
一方で、収入や健康観が高く歯科医院に継続的に通える層とはどんな人達でしょうか?
そう、それは「患」がない健康な人達なのです。
将来的に歯科医院に通えるのは「患者」ではなく、現在は健康で、将来にわたり健康を維持したいと考える人達が中心になるのです。
いままで、多くの歯科医院は「問題解決型」の経営を続けてきました。
でも、これからは「問題解決」だけでは歯科医院を永続させることは出来なくなるのです。
「予防歯科は未来提案を出来ていない」
予防型の歯科医院、増えましたね。でも「予防だから未来提案型だろう」と勘違いしていませんか?
実は一部の歯科医院を除いて多くの予防歯科は「問題解決型歯科医院」なのです。理由は患者へのカウンセリングなどでの動機づけにあります。いろんなイラストや写真を見せ、唾液検査などで「将来のリスク」を提示して、患者の「リスク回避欲求」を刺激していませんか?
確かに人間の「リスク回避欲求」は強く、いろいろなビジネスで動機づけに使われています。それによって、患者への継続的な予防への動機づけができれば患者にとっても「利」があるとも言えるのですが・・・そうはならないのです。
理由は「リスク回避の動機づけ」では来院者の健康観が成長しないのです。リスク回避は問題解決であり目的志向ではないからです。
だから、継続的に歯科医院に通う健康観の高い国民は、そんな予防のシステムに魅力を感じません。
10年後、患者で溢れる歯科医院とは
10年後も今と変わらず発展し続ける未来提案型の歯科医院はすでに存在していて、健康観が高い人達で溢れています。そしてその歯科医院は、今後、医療保険制度がどう変わろうと受ける影響が少ないのです。
来院者の健康観の成長により歯科医院も発展する。来院者は高い健康観をもち、加齢や生活習慣によって生じる問題を予防しながら医院と二人三脚で未来のゴールを目指す。
ホームページで患者のQOLの向上を実現と書いているだけではなく、トータルヘルスプロモーションに基づく未来への道を、来院者に具体的に提案できる歯科医院だけが発展できるのです。
ホームページ表現の危険性
すべての人に響くホームページの作り方が増えていて、それが危険だと以前に書きました。多くの問題解決型歯科医院のホームページはこんな感じです。
・笑顔の写真
・痛くない、怖くない、抜かない、削らない
・優しい、コミュニケーション・カウンセリングを重視
・インプラントや自費の技術がこんなに高い
・問題解決手法の羅列(むし歯、インプラント、歯周治療、ホワイトニング等)
確かに「患者」が集まる良く出来たホームページが増えました。
そう「患者」です。急患や治療の患者だけが集まるのです。
いまの先生のホームページで健康観の高い人(歯に問題がない)は来ますか?「院長がされている価値提案、素敵ですね」「私も参加したいです」と言ってくれますか?
歯科医院を発展させていきたいなら「問題解決型」から、地域を巻込んだ「未来提案型」に移行していくことが必要です。
国民のトータルヘルスプロモーションを実現していく中で最終的に歯科医院が目指すのは、「歯医者」ではなくなることかもしれません。
困難な時代を乗り越え、トータルヘルスプロモーションのコンテンツがすべての国民に提供できる社会を目指して
こちらもお読みください(2019年6月更新)。
「やっぱり10年後、歯科医院に患者は来なくなる」
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