今日のテーマは、変化の激しいこの時代を生き抜くために、院長先生に求められる経営者としての覚悟についてです。
診療報酬の補填には限界があるという事実
令和8年度の診療報酬改定は、日本経済が新たなステージへ移行する中での最初の改定となりました 。
賃上げ措置や物件費高騰への対応として、初診料や再診料の引き上げ、ベースアップ評価料の見直しなどが盛り込まれています 。
しかし、国の大枠の方針を俯瞰すれば、診療報酬による補填だけで全てを賄うことには限界があることが分かります。
財務省の資料でも、医療機関の経営データに基づいた精査や、効率化による適正化が厳しく求められています 。
これは、制度上の評価に頼るだけでは、これからの物価高騰や人件費の上昇には到底太刀打ちできないことを意味しています。
そして財務省は令和10年の改定では間違いなくマイナス改定を主張してくるでしょう。
他業種との人材獲得競争に勝つための環境整備
今、歯科業界が直面しているのは、単なる近隣の歯科医療機関との競争ではありません。
一般企業を含めた全産業との人材獲得競争です 。
医療従事者の賃上げ目標がベースアップ評価料で掲げられていますが、これを継続できない経営体には、もはや良質な人材は集まりません 。
特に女性スタッフにとって、出産や育児といったライフイベントに柔軟に対応し、キャリアを継続できる土壌があるかどうかは、歯科医院が選ばれるための必要条件となりつつあります。
国は経営実態の見える化を強力に進めており、職種別の給与や人数の報告義務化も検討されています 。
これは、適切な処遇改善を行い、スタッフの生涯を支える覚悟のある歯科医院だけを残そうとする明確な選別の意思の表れでもあります。
医療DXと治療のデジタル化が迫る未来への投資
さらに、私たちは二つのデジタル化への対応を迫られています。
一つは、電子的診療情報連携体制整備加算の新設に象徴される医療DXの推進です 。
そしてもう一つは、CAD/CAM冠の対象拡大や3次元プリント有床義歯の評価新設といった、治療そのもののデジタル化です 。
これらの設備投資や体制整備には、相応のコストと組織の変革が必要です。
だから、強者の戦略を取る院長は対応が必須ですが、弱者の戦略を取る院長は対応するほど経営の体力を奪われるのです。
賃上げを継続できる経営体力を自ら構築する決断
では、院長先生が理想とされる歯科医院を守り抜くために、今、何をなすべきなのでしょうか。
それは、診療報酬という限られた枠組みに依存するのではなく、自らの足で立ち、賃上げを続けられるだけの経営の体力を、自力で構築するという経営者としての覚悟を持つことです。
臨床の質を追求されることは歯科医師としての本分ですが、それと同じ熱量で「組織としての収益性」と真摯に向き合わなければなりません。
スタッフが安心して生涯を預けられる環境を作り、時代に合わせた治療技術と設備を導入し続けられるだけの体力を得る。
そのための収益スモデルの再構築こそが、院長先生に課せられた真の仕事です。
今の延長線上に答えを求めるのではなく、医院の在り方そのものを変革する一歩を踏み出す勇気をお持ちでしょうか。
地域医療の未来と、スタッフの人生を背負う院長先生の孤独な決断を、私はプロフェッショナルコーチとして全力で支えてまいります。
共に、この新しい時代の扉を開けていきましょう。
![]() |
|
![]() |
|
![]() |

















