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◆歯科医院経営ブログ

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院長が忙しくなるほど医院が停滞する理由 / 組織化を後回しにしてきた代償とは?  [2026年03月24日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
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はじめに

「うちのスタッフは言われたことしかやらない」

「チーフを作ったのに、結局自分が全部判断しなければならない」

こうした声を、私はご相談を受けた多くの院長から聞いてきました。

スタッフが育たない。組織が動かない。その原因をスタッフの意識や能力に求めたくなる。

しかし、私が40年以上にわたって歯科医院の経営を見てきた経験から言えば、多くの場合、その原因は院長側の「組織化の進め方」にあります。

今日は、スタッフが自律的に動かなくなる構図についてお伝えします。

 

医院が大きくなるほど、院長は忙しくなる・・・この悪循環の正体

開業当初、院長がすべてを把握して動かすことは合理的です。スタッフも少なく、判断が必要な場面も限られているからです。

そして、スタッフの歯科医療従事者としてのレベルはまだそんなに高くない。この時期はティーチングと指示で「正しいやり方と意味」を身につけるステージにいるのです。

しかしスタッフと医院が成長し、スタッフ数が増え、患者数が増えると、同じやり方は通用しなくなります。

院長一人が判断できる情報量と時間には、物理的な上限があるからです。

よく、「30人位までは院長一人で管理できる」と言う方がおられます。ただ、管理が出来たとしてもそれでは組織化が進まない。スタッフが上のステージに行けない。そのことのデメリットの方が大きいのです。

 

組織化できない院長の特徴

それでも「自分がやった方が早い」「任せると不安」という感覚から、院長はあらゆる判断を抱え込み続けます。

その結果、診療をこなしながら経営判断もスタッフへの指示も全部自分でやることになり、どんどん疲弊していきます。

先生の医院では、院長が診療以外のことを考える時間をどのくらい確保できていますか?

疲弊した院長が感情的になり、スタッフへの言葉がきつくなる。スタッフは萎縮し、自分で判断することを避け、何でも院長に聞くようになる。

そしてさらに院長が忙しくなる・・・。この悪循環に入ってしまっている医院は、決して少なくありません。

 

「チーフを作った」は、権限委譲ではない

多くの院長が一度は試みるのが、チーフや主任といったリーダー職の設置です。

しかし、役職をつくるだけでは権限委譲にはなりませんし多くの場合には機能しません。

権限委譲には段階があります。「徹底的に教える」「教えながら任せる」「任せきる」というステップを踏んで、初めてチーフが自律的に動ける状態になります。

だからこのプロセスを省いて役職だけを与えても、チーフは判断の根拠を持てず、結局院長の顔色を見ながら動くことしかできません。

さらに問題になりやすいのが「二重権限」です。

チーフが下したはずの判断に院長がダメ出しをし、チーフを飛ばしてスタッフに直接指示を出す・・・。これが繰り返されると、チーフには実質的に何の権限もないことがスタッフ全員に伝わります。

結果として何が起きるか。スタッフは「どうせ院長が決めるから」と自分で考えて動くことを放棄し、チーフは「院長に怒られるから考えずに院長の指示を仰ぐ」という防衛反応をとるようになります。

これは意識の問題でも能力の問題でもなく、院長が作った構造が生み出している必然的な結果です。

チーフが失敗を経験し、そこから学んで成長する機会を奪っているのは、皮肉なことに、チーフを選んだ院長自身かもしれません。

 

組織力の低さは、生産性の低さに直結する

「指示された仕事しかしないスタッフ」を生み出す構造が出来上がると、医院全体の生産性は構造的に低い水準で固定されます。

医院メンバーが自律的に動かないので院長は更にスタッフをコントロールで動かそうとする。

すべての判断が院長に集中している組織では、院長が動かなければ何も動かないのです。

一方、スタッフが自分で考え、動き、改善する組織では、院長が診療に集中している間もチームが動いています。

この差は、患者数が増えるほど、医院規模が大きくなるほど、経営上の影響として大きく現れてきます。

スタッフ数が増えているのに生産性が上がらない、あるいは忙しさは増しているのに利益が改善しないという状況は、組織化の遅れが招いている可能性があります。

 

院長が経営者として取り組むべきことは何か

組織化とは、院長が「やらなくていいこと」を増やしていくプロセスです。

言い換えれば、院長にしかできない仕事、戦略を考えること、医院の方向性を示すこと、スタッフが成長できる環境を設計すること、に集中できる構造をつくることです。

そのためにまず必要なのは、チーフが「判断できる人」になるためのティーチングです。

チーフが判断の根拠を持ち、失敗を経験し、成長できる環境を整えることが、院長の最初の経営課題です。

組織化が進んでいる医院では、院長が診療に集中しながらも、医院全体が着実に動いています。この差は、先手を打って組織化に取り組んだかどうかの差です。

先生の医院では今、院長にしかできない仕事に集中できている時間はどのくらいありますか?

 

まとめ

スタッフが育たないのは、スタッフのせいではないかもしれません。チーフが動かないのは、チーフのせいではないかもしれません。

組織が止まっているとしたら、その多くは「教えるべきことを教えていない」「任せているつもりで任せきれていない」構造から生まれています。

この構造に気づき、院長自身が経営者としての役割を変えていくこと。そこから、医院の本当の成長が始まります。

 

組織化は後回しにされることが多いと感じます。何故ならトップダウンのままでもある程度の規模までは組織運営は可能だからです。

しかし、それは院長一人のやる気と学び、行動力によってのみ成果を生みだせる組織。院長が一息つけば経営が傾く構造なのです。

 

もし、組織化のSTEPで躓いたりお悩みであれば経営相談(有料)にお申込みくださいね。

 

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