Q1.「ES(従業員満足度)を上げればCS(顧客満足度)も上がる」は本当に正しいのか?
A.単純にESを高めるだけではCSにはつながりません。
多くの歯科医院で「スタッフの働きやすさ」や「自由な雰囲気」を重視するあまり、診療の質やプロ意識を軽視してしまうと、処置の精度や患者対応でムラが生まれます。その結果、患者満足につながらない「ぬるい職場」になってしまうのです。
Q2.ES重視で陥りやすい典型的な失敗例は?
・予約枠をスタッフに配慮して緩めすぎて、生産性が低くなる
・治療技術や説明スキルの教育を後回しにして、成長機会が不足
・スタッフの“要望は聞く”が、“求める姿勢”を共有しない
→結果として「個としては満足するが、医院として成果が出ない」状態になります。
Q3.ESとCSの関係性はどうあるべきか?
A.CSとESは“相互依存・循環”する関係です。
優先すべきは、「CSを上げたい医院の価値観」に共感してくれるスタッフを育てること。その結果、スタッフ自身が成長を感じ、働きがいを見いだせる『動機づけ要因』が満たされ、ESが高まります。
Q4.どうやってCSとESを一体化するマネジメントができる?
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《価値観共有》:「なぜ患者への高品質な医療が根幹なのか」を定期的に言語化し、院長や幹部が率先して語る
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《育成+裁量》:衛生士やアシストに「診療設計」「説明・患者対応」を任せ、成功体験としてフィードバックする
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《環境整備》:衛生的で効率的な診療体制と、成長を見える形で常に提示する
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《キャリア設計》:3年・5年・10年先に医院内で「できること」「果たす役割」「評価・待遇」が見える仕組みを作る
→これにより、「医院の成果」と「スタッフの成長意欲」が同じ方向に向かうようになります。
Q5.院長は何を最初に見直すべきか?
→まずは「院内の価値観共有」「日常診療で実践しているか」の視点で現状を評価してください。
次に「育成や裁量をどこで任せ、どのようにフォローしているか」「働きながら学ぶ環境があるか」を整えましょう。
まとめ
・CSもESも、優劣ではなく“つながり”を作ることが大切
・ESを高めるためには、質の高い歯科医療を追求する文化が必要
・院長は環境整備とキャリア構造をデザインし、価値観に共感した人が成長できる職場を作るべき
先生の医院では、CSとESをつなげる人材育成・環境整備ができていますか?
スタッフの意欲と患者満足を両立する体制は整っていますか?
ご希望があれば、スタッフ育成制度の設計支援も可能です。
理想と現実をつなぐ人材マネジメント、まずは一歩から始めていきましょう。