おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
三方よし経営の柱の一つである「長期管理型歯科医院経営」
①国が求める「かかりつけ歯科医院」と出来高払いの未来とは
②地域の歯科医療需要(マーケット規模)を分析した経営戦略とは
③患者の予約キャンセルと治療中断に要注意!、バケツに水を注ぎ続ける自転車操業医院とは
④トライアル率リピート率、バケツの穴が存在しない歯科医院経営の作り方とは?
⑤院長は誰に信頼され誰に愛される歯科医院を目指すのか?
⑥治療技術、診断力、治療計画立案力、治療計画提案力、治療計画完了率が歯科医院経営の生命線である理由
⑦CRM(顧客関係構築ソフト)への情報インプットとナレッジマネジメント
⑧脱治療計画!治療・重症化予防計画、健康管理計画への移行
⑨医療だからこそ、取組みの成果は数値で把握し時系列に管理して評価対策するべき理由
⑩長期管理型歯科医院は未来の予約が埋まる経営スタイル 先生の医院のかかりつけ患者は何人??
のうち今日は「④トライアル率リピート率、バケツの穴が存在しない歯科医院経営の作り方とは?」についてです。
長期管理型歯科医院を作るのに必要不可欠なのは「患者の認識」と「熟練した歯科医師の認識」との差を埋めるステップを医療面接やオペレーションに組み入れることです。
例えば、「右の奥歯の辺りがジンジンと痛む」と来院した患者に検査⇒診断をしたら、「右下6番のper」以外にも「2箇所のむし歯」「歯周病」「ブラキシズムによる咬耗」等が見つかった。
その場合、どの様に患者に伝えれば患者が自分にとって必要な治療を受入れ、生活習慣や歯みがき習慣の改善に取り組むのでしょうか?
昨日ブログで書いた「バケツの穴」は患者が歯科医院の治療説明や治療提案に納得していないことで生じる。
だから、バケツの穴を減らして小さくしていくには、歯科医院に通院する中で「患者の認識」が徐々に変わり「自分にとって必要な治療」を自ら受け入れる様、「視点変換」「行動変容」「習慣化」に導くアプローチが出来る様に仕組化していく事が欠かせないのです。
ヘルスプロモーションにおいては「パターナリズム」への反省から、患者が主体となって自ら必要な治療に向き合う様に医療機関が関わることの重要性が示されました。
オタワ憲章以降も現場では様々な工夫がされ研究も進んできましたが、歯科医療の現場ではあまり活用されていないと感じます。
最近、話題となっている行動経済学も患者の為というよりは自らの利益の為(スラッジ)として使われることの方が多い。
しかし、通販の様に行動経済学を使って購買に繋げるという考え方はトライアルモデルであり、それを続けてもバケツの穴は小さくはならないのです。
歯科医院でも新患は必要であり、トライアル率を高めることも必要です。
バケツの穴が大きいので水を注ぎ続けないとバケツの水が減っていくからです。
しかしトライアル率を高める一方でリピート率を高める取組みが出来ていないといずれは行き詰る。
バケツに注ぎ込む水の多くを占める「う蝕」は地域によっては明らかに減ってきており、水を確保しようと広告にお金を使っても元を取れなくなるからです。
多くの医院では広告費をかけて「急患」を集めてしまっている。
バケツの穴を塞ぐ取組みを軽視してバケツに水を注ぐことばかりに躍起になっているのです。
トライアル率を当面は高めながらもリピート率を高め、トライアルへの依存を減らす。
それが出来なければ長期管理型への道は開けないのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00