おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院の開業時には院長は不安な気持ちでおられるでしょう。
開業時に必要だと言われている経営対策はおこなうものの予約表が埋まるまでは安心できないからです。
だから予約表を目一杯埋めたくなる。
しかし、もし院長が定期管理を重視されている場合には内覧会で予約を取りすぎるのが危険な場合があるのです。
では、内覧会での予約はどれ位取れば良いのでしょうか?
それは院長によって違うのです。
例えば、本院が別にあって開業されるのが数件目の分院であれば本院で経験を積んだドクターや歯科衛生士、その他のスタッフが応援に入ることも多いので予約患者を多めに取ることができます。
しかし、院長が勤務していた医院から独立して開業される場合にはオープニングスタッフの成長度も高くはありませんので予約を詰め込み過ぎる事は「一回り目の患者の信頼を損なう」ことになりかねず、二回り目以降の新患の増加にマイナスの影響を与えるのです。
したがって、百戦錬磨の院長以外の院長は「一回り目の患者を満足させて帰ってもらえる予約患者数」を計算し、それ以上の予約を取らない様にした方が経営的な効果は高いのです。
もし、予約を取れる上限数を超えて受けられないとしても、丁寧な対応をすることでその患者は「見込み患者」となってくれます。
マーケティングの技術にあるのですが、限定した方が医院の価値は上がるのです。
百戦錬磨の院長は予約を多めに取って評判と売上に繋げるロケットスタートが可能です。
だからもし開業されるドクターがロケットスタートに自信をお持ちであれば予約患者を多めに取っても良いと思います。
大切なのは「予約患者を感情的に満足させることが出来るのか?」であり、予約の適正数は院長を含む医院メンバーの成熟度によって違うのです。
もし、適正数を超えて予約を詰め込んでしまった場合、一回り目の患者が感じた不満はマイナスの口コミとなり「開業効果」がなくなってくると新患数は目に見えて減りだします。
「とにかく歯の痛みを取ってくれたらどこでも良い」とう蝕患者が大量に来院した時代と違い、今の時代は医院のレベルや居心地を比較される時代です。
内覧会で予約を取る患者の一部は今通っている歯科医院への不満を話しており、内覧会をした医院の対応次第ではマイナスの口コミをされる可能性もあるのです。
歯科医院開業では長い時間をかけて地域に信頼を築いていくという姿勢が大切です。
歯科医療としてサービス業としての品質を保ち、患者に真摯に向き合うことが長期的利益に繋がるのです。
もちろん、内覧会で予約表を埋めたいお気持ちは分かるのですが・・・。
Posted at 05:00