おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院では医院規模が大きくなるほど、一人の患者に多くのチームメンバーが関り患者を健康に導いていきます。
本来は治療をするドクターが、1回1時間くらいかけて
・症状についてヒヤリングしながら問診票に記入し
・患者の主訴や悩み、要望についてについて聴いて共感の言葉を投げかけ
・一度口腔内を診てから必要な検査をおこない
・検査結果を資料やツールを使って丁寧に説明しながら治療が必要な箇所とその理由を説明し
・治療提案をして患者の同意を得る
方が患者とのラポールの形成がしやすく患者の治療への納得度も増します。
しかし、日本の歯科治療における診療報酬の評価は低くユニット1台当たり1日10人以上診ないと採算が取れない。
また、様々な職種の専門性を活かす為に内外の歯科技工士、歯科衛生士、管理栄養士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカー、診療スタッフ、TCなどと連携してチーム医療を行うのですが、ここで問題が生じます。
それは、
・患者にとっての一番の理解者が不明確になり患者の不安が解消しにくくなる
・カルテ、サブカルテだけでは患者から聴いた情報(とくに患者の背景等)を共有しにくい
・カンファで共有する時間がなかなか取れない
・他の職種が患者に聴いた情報を読まなかったり重視しない人が出てくる
・情報から洞察し情報を活かす能力が人によって違う
・患者に寄り添いたいという思いが人によって違う
・その前に忙し過ぎて患者情報を活かせる隙間が無い
などです。
治療の最初から最後まで患者のサポート担当がいて常に患者の疑問や不安を解消出来るのであれば良いのですが、シフト制の医院では患者の予約と担当スタッフの休みが重なることもしばしばあります。
そして一人の患者を無事GOALまで導こうとするチームメンバーへのリーダーシップを若い勤務ドクターが取れていないことも多く、患者とのエンゲージメントが深くなっていかないのです。
この問題を解決するにはチームメンバーの意識に働きかけるのではなく行動科学的に仕組みにして後戻りしない様に習慣化までもっていく必要があります。
多くの歯科医院は新しい仕組みを習慣化するまで持っていくことが出来ずに後戻りしてしまう。
だから全員が必ずやるべきことを先ずは行動科学的に仕組化し、次に行動の「意味」「大切さ」を継続的にチームメンバーに落とし込むのです。
長期管理型歯科医院を目指すのであれば患者にとって先生の歯科医院がもう一つの「我が家」になる必要がある。
患者が「この医院の人たちは何も言わなくても私のことを理解してくれている」と感じなければいつか離脱していくのです。
また、歯科衛生士枠で定期管理が始まったとしても患者とのエンゲージメントを更に深める仕組みがなければ患者が離脱する可能性が高まります。
実際に定期管理枠の患者は結構離脱している。
歯科医療従事者は患者にとって必要な治療と管理から患者が離脱しない為に全力を尽くすことが出来ているか?
一度、スタッフと話し合ってみてくださいね。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00