おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院の院長に関わらず経営者は経営環境の変化を把握して、その変化に段階的に対応していく必要があります。
例えば大きな歯科医院の院長はアーリーアダプタ院長となり、需要が成長期に入る半歩手前で治療コンテンツとしてデビューさせる必要がある。
日本の歯科医院の経営規模では世界的プラットフォーマーの様に単独で需要を作り出すプロダクトアウトのアプローチはハードルが高いので、経営環境とニーズの変化を読み取り最適化する必要があるのです。
例えば歯科医療のデジタル化も大きな歯科医院は段階的に対応することが対応が必要であり、逆に小規模零細歯科医院はそれに追随してはいけない。
両者では取るべき戦略が違いますので、院長はご自分の医院に合った戦略を立てる必要があるのです。
医療のデジタル化はまだイノベーターの領域からアーリーアダプタ領域への移行段階にあると私は考えています。
しかし、大きな病院が取り組んでいる医療システムの技術は、過去の事例から言っても汎用化の段階(10年後位)で開業医領域に降りてきており、高度な医療が届かない地域をデジタル技術を使ってカバーしたいという国や地方公共団体の思惑と合致しますので、成功モデルが増えれば開業医領域に入るのも意外に早い気がするのです。
ただ、そのデジタル技術を使うことによってブランディングし、医院経営で成果を出せる院長は限られると考えます。
これから2035年位までに登場するデジタル技術は格安である保険診療では扱えないからです。
例えば、自動車も安全装置の進歩などによって価格がどんどん上がっています。
これが将来レベル3の自動運転車が増えだすと更に価格は上がっていく。
ただ、最終的に「CASE」がどんどん進み「MaaS」の領域に近づけば「車の所有」は「共有」へと移っていくのです。
現在、話題になっているchatGPTは少し前の技術ですが、マイクロソフトなどの企業が出資しましたし「マイクロソフト365」等への導入が進めば更に進化したものに私たちは日常的に触れる様になるのです。
将来的には歯科医院の受付対応や電話対応、カウンセリングもAIシステムが行える様になると思います(それが良いかは別にして)。
いまでもテレビでニュース原稿をAIが読み始めていますし銀行などのホワイトカラーがおこなう業務の多くがAIでの代替が可能になっていく。
それと同様に将来的には「保険医療システム」が大きく変化する可能性が高い。
それは現在、医療機関の院長の目の前にはありませんが、一歩づつ確実に進んでいるのです。
院長は遠い未来をボンヤリ見ながら中期的未来にビジョンを掲げ、短期的な未来には中期経営計画を立てて対応しなければいけない。
日本の保険医療は「未来の医療の進歩」には制度的に対応できないのです(残念ですが賃金が上がらずに国民がこれ以上の負担ができませんので)。
来年は「医療、介護、障害者福祉サービス」の報酬制度のトリプル改定があり、次期医療計画や医療費適正化計画の切り替わり時期にもあたります。
つまり、新しい資本主義を推進する岸田政権で言えば、積極的投資による支出を回収する仕組みを作る為に社会保障制度を変革する必要性がある。
多分、今年の後半から具体的な改定内容の検討が始まり、年末に大枠の改定内容が決定して改定率が決まるでしょうから、歯科医院の院長はそれに向けて経営面を強化していく必要があるのです。
これから数年が最初の正念場です。頑張ってくださいね。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
Posted at 05:00