おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
さて、4月からチームに新たな人材が加わる医院もあると思います。
人材確保はこれから死活的な大問題となっていきますが、人材確保を有利にする為にも採用した人が着実に育つ成長環境を構築することが不可欠なのです。
例えば人間の筋肉も口腔機能も使わなければ衰えていく様に、スタッフや勤務ドクターも適度な成長負荷がかからない環境で1年を過ごせば能力は低下しやる気も低下し、気がついた時には言われたことだけをやれば良いというコンフォートゾーンから抜け出せなくなるのです。
また多くの医院では入社した人を先輩スタッフが教えることになる。
しかし、先輩スタッフは多くの場合には自分の経験と価値基準で入社したスタッフを教えますので、上手くいかないことが多いのです。
この事は先輩スタッフに非があるのではないと私は考えています。
「正しい育成方法」を学ぶ機会もないまま教えることになった先輩スタッフには責任を押し付けることは出来ないのです。
入社した人に何を教えどんな役割を担って欲しいのか?
そしてその人の個性や身につけた能力から見て、どういうアプローチで関われば成長につながるのか?
それを見える化できない医院の場合には入社した人を主力メンバーにまで育て上げることが出来ません。
そして、いつの段階でどれ位の成長負荷をかけることが正しいのかを判断できなければ、
・新人スタッフに負荷を受入れる物理面、精神面の余裕がないのに新たな負荷をかけて退職してしまう。
・退職しない様にと院長が気を使いすぎて成長しない(成長負荷が足りない)。
のどちらかになってしまうのです。
モチベーション理論には「目標設定論」や「フィードバック論」などの項目があり、人材育成についての研究発表も多くあります。
また大学などの研究機関や世界的企業が試行錯誤しながら作り上げてきた人材育成法やスタッフマネジメント法がある。
しかしどんな組織にでも合う完璧な理論は存在しませんし、理論を使ってチームメンバーを枠に嵌めようとすれば大体の場合には失敗する。
つまり、人間関係やメンバーの成長度などの組織の状況をしっかり把握して、
・どこをどうテコ入れすれば意思決定の流れがスムーズになるのか
・上司が成長においての障害にならずに若いスタッフが能力を伸ばせる環境になっているか
・ひとり一人のどのボタンを押せば成長のスイッチが入るのか
・新人が着実に成長する為にどんな育成の仕組みが必要か
を他企業の実践例や理論を参考にしながらも医院オリジナルの実学を積み上げなくてはならないのです。
タイトルにある「適度な成長負荷」を判定するには「目標設定論」の知識が参考になりますが、高すぎる個人目標、目標が設定されない状態はスタッフのやる気を奪います。
また本人に目標の全貌を見せた方が良い場合と、目標の全貌は見せずに小さな目標を達成し続けたら全体の目標が達成されていたというやり方の方が良い場合がある。
どちらが良いのかも医院によって相手によって違うのです。
効果的な組織は実践を積み上げた実学の上にしか建てられない。
そう思うのです。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00