おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院の治療品質を高めたりオペレーションの品質を高めたりすることはとても大切だと感じます。
しかし、院長が朝礼で注意すれば改善されると考えるのは大きな間違いなのです。
例えば、「必要なことが出来ていない」とリーダーが注意する時点でリーダー自身は実践出来ていることになります。
リーダーは必要な行動をやり続ける価値観を所有し行動を習慣化することが出来ている（はずですが・・・）。
だからリーダーにとってその行動をする価値は高くその大切な行動ができていないチームメンバーに物足りなさを感じるのです。
しかし、チームメンバーは人生でリーダーと同じ体験をしてきた訳ではありませんし、リーダーと同じ価値観を所有している訳でもありません。
だから、リーダーに大切なことだと言われてその時は意識しながら実行できても、時間が経つとだんだん元の自分の価値観で行動するようになる。
マニュアルを作成しても院長や先輩が次第にマニュアルを守らなくなるのはその事が理由なのです。
世の中にはプロセスを守らないと成果に繋がらないことと、求めている成果を出せればプロセスは各自に任せても良いことがあります。
例えば滅菌や６S（整理・整頓・清掃・清潔・躾・安全）の場合にはプロセスを守る必要がある。
しかし、患者との距離を縮めるキッズイベントなどのやり方や患者を安心させる為のコミュニケーションの場合には入社して間もないスタッフは型を覚えて実行してもらうにしても、経験が豊富なメンバーの場合には行動の目的が果たせるのならばその人の自由にしてもらう方が良いのです。
まだまだ、すべての分野において院長の理想の型にはめようとする院長が多い気がします。
例えばコミュニケーション能力が高いメンバーを接客の型にはめると能力を発揮できなくなりますし、そういう医院を見ると「もったいないなぁ」と感じるのです。
実際に院長のやり方よりもチームメンバーのやり方の方が上手くいくことも多い。
院長が指揮を執るよりもチームメンバーに任せてしまった方が成果につながるのに院長だからとコントロールしようとすることが組織づくりの泥沼への入口なのです。
だからいつまでも細かいところまで管理しようとせずにチームメンバーに任せるべきことは手放していきませんか。
成長できていない人に権限を与えても成果は出せませんが、成長度が高い（院長が気づいていないことも多い）のに権限がないから能力が発揮できない人は医療機関に関わらず沢山いますので、医院ビジョンを実現していくに勿体ないと思うのです。
最初は型を覚えるところから入ったとしても成長環境を作りながら段階的に型枠を外してあげる。
すると驚くような能力を発揮してくれるのです。
私がチームメンバーひとり一人の可能性を見つけて磨く仕事をしていて大切だと感じるのは、本人が苦手にしていることの改善点を指摘するのではなく、得意にしていることを認めてあげて磨くお手伝いをしてあげることが大切だということ。
本人も「自分にどんな可能性があるか」ということに気づいていないことが多く、「どうすれば可能性を活かせるのか」も分かっていない場合が多いので、「努力したら結果に繋がる方向」を自分で見つけてもらう為のサポートが必要なのです。
医院として求められる役割を果たしてもらいながらも可能性を潰さずにどうすれば活かせるのかを一緒に考えていく。
すごく手間がかかり面倒だと感じられる院長もおられるでしょうが、人間を扱うとはそういうことであり「院長が右を向けと言えば一斉に右を向く」ことを理想にしていては組織運営で必ず壁にぶつかることになるのです。
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テーマ：スタッフ育成、チームビルディング
Posted at 05:00
