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◆歯科医院経営ブログ

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2023年時点、歯科医院経営に関するマーケティング的考察  [2023年03月16日]
 
おはようございます。
 
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
マーケッターの森岡毅さんの必勝法に
①本能
②数学マーケティング
③ブランド設計
 
があります。
 
ターゲットの「本能にぶっ刺さる」コンテンツを作ることでターゲットのコンテンツに対する「プレファレンス(好意度)が高まる。そしてプレファレンスを高める為に数学マーケティングで徹底的にデータを取り成功確率を高めていく。最後にブランドの「顔」を作ってメッセージ性の強い広告を使って認知を拡げていくのです。
 
USJの「クリスマスの魔法が解ける前に」というCMは子育てをする親の切ないインサイトを突いた名作でした。
 
 
 
しかし、保険医療の分野では病気なった人にしか治療へのニーズは生まれない。
 
マーケット規模が大きかった「う蝕」は若い層を中心に減少し、う蝕治療ニーズのウェイトが高い高齢者層も75歳以上となって受療率が低下することでう蝕全体のニーズは下がっていく事が確定しているのです。
 
 
 
もちろん、う蝕需要が無くなることはないのですが、
 
・診療報酬において「歯冠修復及び欠損補綴」の平均点数が下がり続けていること
・診療報酬改定で点数が低く配分されている
 
から見て、う蝕治療が国の歯科医療政策の重点から外れてきていることが分かるのです。
 
歯の痛みやダツリで駆け込んでくる急患はリピート患者や自費治療には繋がりにくいですので、急患を積極的に受け入れている医院では野戦病院並みに高速回転させるしかないようになっていくと考えます。
 
 
 
 
 
一方、患者のニーズが高まっているのは「矯正治療」でしょうか。
コロナ前から歯並びの悪い人が増えてきていたこととコロナによってマスクをする習慣が出来たことによって「歯並び矯正」を希望する人が増えたのです。
 
アライナー矯正が拡がったこともマーケットの拡大に寄与していると思われます。
しかし、矯正治療分野のマーケットが拡大していることが歯科医院経営にとって福音となるかと言えばそうではないと私は考えています。
特に小規模歯科医院は専門医や大きな歯科医院との競合関係になることを避けるために取り扱うべきではなく、ランチェスターの弱者の戦略を徹底する必要があるのです。
 
 
 
 
 
口腔機能管理に積極的に取り組む医院は比較的大きな医院とプライマリケアに地道に取り組む医院に絞られていく気がします。
理由の一つ目は、国が口腔機能の発達不全や機能低下を問題視しながら、その問題を解決する足場を作る為の診療報酬点数を低く設定しているからです。
そして二つ目の理由は口腔機能管理のハードルが高いから。検査して点数を算定することはできても、専門医と連携しながら口腔機能を管理して改善していく事は容易ではないからです。
 
 
先進的な取組みとして管理栄養士を採用し口腔機能の正常な発達と機能の低下防止に取り組む医院はその赤字を他の収益で補填しており、このまま診療報酬が上がらなければ経営の体力があり矯正治療などで赤字を補填できる医院しか取り組めなくなる気がするのです。
 
 
 
 
訪問歯科の領域もマンパワーに問題がある小規模歯科医院の参入ハードルは高いですので、訪問に特化した医院か比較的大きな医院が中心になっていく。
ただ、国は病院歯科の強化の方向性を示しており、ここが具体的に動き機能した場合には地域の多職種とのネットワークが構築出来ていない歯科医院は経営的に厳しいかもしれません。
 
 
 
 
最後に歯周病は検査と診断から動機づけコンサルにつなげ、患者に歯周病という病気に罹患していることを伝える仕組みが構築できない医院では上手く扱えません。
「歯周治療の指針」に則らずにハガキを送ってリコール再初診をしている医院が代表的で、そういう医院では今後の診療報酬改定と診療報酬支払基金のAI審査の進行に伴って厳しくなっていく可能性が高いのです。
 
 
 
 
マーケティング的に考察すれば、大きな歯科医院は更に総合化して三次医療機関や専門医、地域の多職種、行政との連携を強化できるかが勝負です。
地域包括ケアシステムが進めば在宅を中心とした介護ケアが増えますので、歯科治療が必要となった時に彼らの頭にどこの歯科医院が浮かぶのかが大切。
 
地域のプレファレンスを高め地域にとって必要不可欠な存在になることこそ、1.5次歯科医療機関になる為に必要なのです。
 
 
矯正治療のニーズを取りに行く大きな歯科医院は多くレッドオーシャンとなりつつありますが、地域と地道に関係性を作って信頼を得る必要がある1.5次歯科医療機関への道は誰にも置き換わられる事がないブルーオーシャンとなる。
 
 
医院規模と経営資源、そして地域の経営環境によって選択する経営戦略は違いますが「必要な戦略に経営資源を集中的に投下して成果を出せるか」はどこの医院も同じです。
 
今のまま止まっていてはジリ貧になるしかないのです。
 
 
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