おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
ときどき経営相談で院長が仰る「うちのスタッフは友人の医院のスタッフと違ってやる気がない」という言葉。
とても不思議に感じています。
何故なら私はいままで多くのスタッフと面談してきましたが、やる気がないスタッフに会うことが無かったからです。
では院長は何を根拠に「やる気」を判定しているのでしょうか?
休日の勉強会に参加してくれないこと?
院長が他医院見学によって学んできた仕組みの導入に積極的でないこと?
ミーティングをおこなっても積極的に意見を言わないこと?
でも、それって院長の思う通りに動いてくれないというだけで「やる気がない」とは関係ないと思うのです。
スタッフと面談して出てくるのは「院長が私に何を求めていて何をすることが正解なのかが分からない」ということです。
「そんなこと位自分で考えろ」というご意見もあるかもしれませんが、医院として何を目指していてスタッフひとり一人にどうなって欲しいといういうことが伝わって初めて「院長が求めることを達成しようとするモチベート」がマインドにセットされる気がするのです。
例えば、休日の勉強会に参加してくれないのなら平日の予約を切って院長が講師になってスタッフが診療において悩んでいることを解決してあげるなどを実行したでしょうか?
ミーティングでスタッフから意見が出ないのは「スタッフが意見を出したいと思えるミーティングになっていない」ことが最大の原因なのですが、ミーティング運営をどの様におこなえば良いのかを試行錯誤したでしょうか?
院長が導入したい仕組みに協力的でないのは「必要な手続き」を飛ばしたことが理由であったり、過去にスタッフにとって嫌な出来事の記憶があるからなのです。
面白い話ですが「やる気がない」という状態は脳科学には存在しないそうです。
体調面や他に色々な悩みがあることによって「やる気がでない」時は誰にでもあるでしょう。
そして、やる気がないから行動しないのではなく「行動しないからやる気が出ない」というのが正しい。
医院に適切な成長負荷がかかる環境がなく、昨日と同じ今日を過ごしているのなら新たな行動で「作業興奮」が起こり行動へのモチベーションが高まることもないのです。
院長がスタッフに外部の研修に参加して技術や知識を磨いて欲しい、ミーティングで積極的に改善提案を出して欲しいと思うのならば、その前に院長としてやるべきことが沢山ある。
指示待ちスタッフを院長が作り出すのと同様に、「やる気が起こらない環境」も院長が作り出します。
だからスタッフのやる気がないと嘆く前に院長は「院内の環境を変える」と決意をして行動でスタッフに示す必要があるのです。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
Posted at 05:00