おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
患者が歯科医院に行く時、主訴による痛みや治療に対する不安により患者の感情はマイナス領域に入り易くなります。
では、先生の医院ではマイナス感情の患者に寄り添う為にどんな仕組みがあるのでしょうか?
基本的にはマイナス感情で来院した患者が感情的にフラットな状態に戻す為に必要なのが「カウンセリング」です。
しかし、多くの歯科医院のカウンセリングは本来のカウンセリングとは違うものであり、カウンセリングが終わっても患者の不安は和らがないのです。
人間は不安やストレスに対してある程度まではコーピングできますが、その許容範囲を超えるとどうなるか?
それは「動かなくなる」や「逃げ出す」です。
多くの患者が不安やストレスによって「治療を早く終えて医院から逃げ出したい」と考えているのです。
トライアルモデルの経営であってもむし歯の治療を受けたい人が続々と押し寄せた時代が終わりを告げ、歯科医院の患者数は減少を始めています。
特に若い層のう蝕治療の患者数の減少は顕著で、これから団塊の世代の受療率の低下によって患者数の減少は更に加速していくでしょう。
そんな中で歯科医院はリピートモデルである長期管理型への移行が必要になってくる。
ただ、患者がある程度逃げ出しても経営的に成立した時代と違ってリピートモデルでは顧客維持活動に重点を置かなければ上手くいかないのです。
だから患者を安心させる仕組みが欠かせない。
リピートモデルにおいては患者の「治療的満足」だけでなく「感情的満足」にも焦点を当てる必要があります。
歯科医療的には定期的に歯科医院に通ってケアと管理をしてもらうことが正解であっても、まだ患者の学習段階は意識的無能に止まっている層も多く、「来院動機」を歯科医院側から与えてあげる必要があるのです。
医療的には「自分の健康は自分で行動して守るべき」という考えが正解であっても、口腔内に問題があっても自覚症状がなく来院動機を持たない地域住民を健康にしていくという歯科医療機関の社会的役割から考えれば、アプローチを工夫しながら患者を健康に導くことが正解だと思うのです。
歯科衛生士さんとも話すのですが、いくら言ってもセルフケアをちゃんとしない患者や禁煙をしない患者であっても歯科衛生士さんと話すのが楽しみで定期管理に来院してくれたらプロケアによってある程度は患者の健康は守られる。
子どもの頃に院長やスタッフに優しくされたことが心に残って歯科衛生士になる患者がたまにいますが、そんな話を聞けば院長は嬉しくて仕方がなくて「長く診療を続けて来て良かった」と思うでしょう。
患者のストレスと不安に寄り添い、患者のライフイベントに一緒に泣き笑い、「この人の人生を私は背負っている」位の使命感を持つ院長やスタッフがどんどん増えてくれれば良いなと思うのです。
患者が離脱しない歯科医院づくりには時間がかかりますが、完成すれば経営環境の変化が大きくても経営的には揺るがない。
その為にも患者を安心させ離脱させない歯科医院を作ってくださいね。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00