おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
先生の医院に今日治療にやってくる患者はいつまで先生の医院に通ってくれるでしょうか?
患者ごとに来院動機は違いますし、「歯科医院は歯や歯茎に問題があった時に治療で通う場所」という認識を患者が持っていれば、スタッフが「定期検診のハガキ送りますね?」と言ったとしても来院する確率はかなり低いことが分かっています。
そうです。患者が「自分が定期検診を受けなければいけない理由」に納得していなければ医院の提案を受け入れることはないのです。
また、治療終了後に定期検診の案内をしても、その時には患者の当面の問題は解決しており(来院動機は消えている)、来院には繋がりにくいのです。
実際には患者が軽度の歯周病に罹患してても歯周病コンサルから歯周基本治療⇒歯周病安定期治療へと繋いでいく仕組みが確立できていない医院では、患者は自分が歯周病であるということを知らされずに「検診」と言われてしまう場合があるのです。
患者の健康にとっても歯科医院の使命遂行や経営にとっても治療が必要な患者に「あなたは歯周病なので定期検診ではなく治療が必要です」と言える医院が増えてくれることを私は願っています。
次に歯科検診を受けた方が良いと分かっていても検診に来ない患者が一定数います(歯周病が完治しているかはここでは置いておきます)。
それは、
・「この歯科医院に検診で通うべきか?」という新たな選択と決断をする必要があり、脳が決断するストレスを避けようとするから。
・歯科医院からの十分な行動への動機づけがないうちに日常生活に埋没してしまう。
・提案した歯科医院や担当者への信頼が足りていない。
・国の御用マスコミによる歯科医療へのネガティブキャンペーンの悪影響。
・経済的な理由
・定期検診は受けた方が良いが遊びなどの優先度の方が高い(自己コントロール力が弱い)。
などですが、歯周病コンサルを個別の患者に合わせた効果的なものではなく、一般的な歯周病治療の説明と検診の提案しか出来ていない医院が多いので患者は提案を自分ごととは捉えないのです。
国が決めた医療制度の歪もこれだけ歯周病が蔓延してしまった大きな要因であると私は考えています。
国が本気で歯周病患者を減らしていきたいのであれば遅々として進まない健診制度の確立を待つのではなく、歯周病罹患リスクが高い年齢の患者には歯科医院のう蝕治療の資料取りの時点で歯周病の検査と病気の説明を義務づければ良いのにと思うのです。
健康観が高く自ら治療と定期管理を希望する患者は別として、歯の痛みで歯科医院に駆け込んでくる患者は健康の自己管理ができていない場合が多い。
だからそういう健康リスクが高い患者に集中して対策をする方が効果は高いと思うのです。
歯科の歯周病治療の医療費が膨らんでもその分生活習慣病の医療を減らす効果がありますので国が進める政策とも合致するのにと思うのです。
学習の5段階から考えれば、歯周病治療はまだ「無意識的無能」と「意識的無能」の段階にある。
これを国や医療機関総出で啓蒙活動をおこない、プロジェクトライフサイクルにおける「成長期」に持っていくには、学生時代からの検診と健康教育の仕組み作りが欠かせないことは事実だと思う。
ただ、国が重い腰を上げて歯科健診を充実させるのを待たなくても歯科界にその役割を任せれば「意識的有能」の患者は増やせると思うのです。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00