おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
国の様々な審議会などの議論を見ていると、出来高払いを抑制しようとする意見が少し出てきている気がします。
勿論。日医の政治力などからみて直ちに医療政策が標準診療への転換に向かうとは思いません。
しかし医療DX化が重点政策であることから見て、デジタル化が進みデータ分析が進めば医療費抑制の政策が緻密に進められることは間違いない。
やはり2024年医療介護同時改定論議の結果がその後の医療機関経営のあり方を占うことになると考えます。
さて、今日は歯科医療に不可欠な患者の観察について。
歯科医院の診療を見学しているとスタッフが何に意識がいっているのかが明確に分かります。
例えばコミュニケーションを苦手にしている受付スタッフなら受付カウンターを要塞化して患者の視線から自分を守ろうとし、待合室に積極的に出ていって患者が抱える不安を解消したり問診票記入の補助をしたりはしないのです。
診療スタッフも同様です。
医院ごとに患者の導入や送り出しのオペレーションには決まりがあるでしょうが、エプロン掛けやエプロン外しの時間を有効に使った患者との会話も定型でしかおこなえない場合も多く、いつも「もったりないなぁ」と感じるのです。
保険のう蝕治療の採算性が低下している時代において、効率を高めながらも医療として必要な患者への寄り添いをどの様に実現していくのかは大きなテーマになってきます。
多分、院長が患者満足度の向上を求めても「忙しい」「時間がない」と反発するスタッフがいるでしょうが、「時間がない」と反発するスタッフは時間があっても必要なことをやっておらず、「どうすればやれるようになるのか?」の視点で考えていないのです。
自分に与えられた作業だけでなくどれだけ患者の様子を観察してコミュニケーションを取ろうとしているか?
勤務ドクターも含めて患者と目を合わして笑顔で話せているか?
患者が辛そうなら心配そうな表情が自然にできているのか?
最近は脳の島皮質の機能が低下して内受容感覚(自分の体や心で起こっていることを感じる力)が弱い人が増えているそうです。
つまり、患者を観察して診療に必要な情報を感じ取れない。患者が辛そうにしていてもそれを感じ取って共感の声掛けができないのです。
だから、島皮質の正常な機能を取り戻す為にも患者にどう寄り添えば良いのかを話し合って(トレーニングして)改善していくことが大切だと感じるのです。
「観察」「洞察」「共感」は歯科医療従事者にとって不可欠な能力ですから。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00