おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
私が歯科医院を大きくする上で必要不可欠だと考えているのは「経営理念」です。
開業当初に院長が「こんな医院を作りたい」と感じるのは「創業理念」、そして「経営理念」はその企業が何の為に存在して社会において何で貢献するのかを書き示したものなのです。
しかし、多くの院長は創業理念もボヤっとしたものであり、経営理念も作成はしているが日常診療とリンクしていない事が多いのです。
だから、時間をかけて臨床経験を積んでいく過程で来院してくれる患者にどんな歯科医療を提供していくのかを考え続けて経営理念を作成しブラッシュアップしていく必要があるのです。
歯科医院もスタッフ数がまだ少ない時にはメンバー間の距離も近くトップダウン中心のマネジメント方法でもカバーできる。院長の人柄でもある程度はついてきてくれます。
しかし、スタッフ数が増えてきて人の入れ替わりが増えてくると院長の目も細かくは届かなくなり同じ方向を向いていたはずのチームメンバーのベクトルがズレだすのです。
そんな時にチームを一つにまとめていく錦の旗が必要になる。それが経営理念なのです。
組織化のステージに入ってくると院長もチーフを選んだりしてマネジメントを手伝ってもらう様になるのですが、やはり権限の殆どは院長が握っていることが多く、チームメンバーもどんな権限が誰にあって、どんな相談を誰にすれば良いのかが見える化されていない場合には、やはり色んな課題が院長に回ってくる。
院長が権限を握って離さないとチームメンバーの自責意識が薄れて、自分達で課題を解決せずに院長に解決を求める存在になってしまうのです。
人は責任を持って様々な課題を解決する経験を積むことで成長します。
最初は上手くいかないことが多いのですが、自分で色々と工夫してリーダーシップの実学を身につけていく。
しかし、成長度に応じた権限を与えらられないと責任を全うする人にはなっていかない。
なのに権限(=責任)を手放す勇気を院長が持てない。
だから私は院内の権限を整理し明確にしながらリーダーを育て、自律的なアメーバー組織を構築していく取組みを院長と進めているのです。
残念ながら日本の現状では歯科医院でティール組織を作るハードルは高い。
理由の一つ目は多くの院長がコントロール力を手放していくことを恐れている事。
二つ目の理由はスタッフがライフイベントを乗越えて自覚的にプロフェッショナルとして働き続ける環境を作れている医院がまだ少ないことです。
だから、本気でティール組織を作りたいのならば院長は組織を「プロフェッショナルが集まってくる集団」に変えなければならないのです。
歯科医院ではティール組織に近いグリーン組織を目指す方が現状では組織パフォーマンスは高い気がします。
そしていつか、歯科医療の現場で働き続けながらもライフイベントを乗越えた百戦錬磨のスタッフが医院に戻り主体になってきた時、ティール組織への扉は開くのです。
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テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00