おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
私が歯科医科の医療機関に関わって来年2月で40年になります。今まで様々な院長と出会ってきました。
あっという間に医院を大きくされる方、医院は大きくせずにご自分が納得できる診療を続けられる方。
保険診療で出来るだけ良い治療をしたいと考える方、出来るだけレベルの高い治療を提供したいと自費治療に重点を置いたり自由診療に移行される方。
それぞれの院長の何が良くて何が悪いということではなく、良質の歯科医療を提供することは共通していて視点が違うだけ。
「保険診療では良い治療ができない」という主張も「保険制度を守り発展させなければ”お金の切れ目が命の切れ目になる”」という主張も立場を変えれば正しいのです。
そんな様々なタイプの院長を見てきて確信するのは「理想の診療を実現したいという院長のモチベーションが下がると経営もスタッフマネジメントも上手くいかなくなる」ということです。
開業して5年程度は「理想の診療の実現」か「開業時の借入金の返済」のどちらか(又は両方)が院長を行動させるモチベーションとなり、患者を増やすことや治療の品質を高めること、スタッフマネジメントも一生懸命に取り組まれます。
しかし、借入金の返済にも目途がつきお金が残りだすと後者が院長のモチベーションの源泉であった場合には急に院長の行動へのモチベーションが下がり始めるのです。その売上の目安となるのは概算経費率が使える保険の売上5000万円で、全国の歯科医院の多くが5000万円以下の売上に止まっているのはその影響が大きいと考えます。
院長の行動へのモチベーションが下がるとその影響はスタッフマネジメントに直結します。
何しろ今まではスタッフ面談や学習会、朝礼、ミーティング、新しい治療システムの導入などを積極的におこなってきた院長が少しづつやってきたことを止めていくのですから、スタッフも「今までは何だったの??」となるのです。
院長の権限をスタッフに委譲しながら院長にしかできない事に集中できる環境を構築するのは大切ですが、院長が楽をする為に今まで頑張ってきたことの手を緩めることは絶対にやってはならない。それがリーダーである院長になるということなのです。
院長が頑張らないのにスタッフが頑張ることはないのです。
院長の行動へのモチベーションが下がってくると歯科医療従事者として成長したいスタッフは退職し、コンフォートゾーンに留まりたいスタッフが残るようになります。
そして医院全体が変化せずに成長が止まった状態が続くと健康意識が高い患者も少しづつ転院して痛いところだけを治療してくれる患者が集まるようになっていくのです。
歯科医院経営の一番の敵は院長の行動へのモチベーションが下がりマンネリ状態になることなのです。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
Posted at 05:00