おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
私はいままでブログで「治療技術と専門性を高めてください」と書いてきました。
その理由の一つは治療技術を高めることによって患者を健康に導いていただきたいということ。
そしてもう一つの理由は、治療技術を高めなければ歯科医院経営でも上手くいかないからなのです。
治療技術を高められないと、
・診断できる範囲と精度が変わる
・治療計画の厚みが違う(対応できる症例が限られる)
・治療技術に自信がないと臨床で使わない
となり、保険診療においても平均点数が低くなります。
また、ご自身がおこなう保険治療と自費治療との効果の違いに自信が持てませんので保険治療を勧めてしまうのです。
若くて経験の浅い勤務ドクターのことを考えれば分かり易いですよね。
当然、対応できる症例と問題解決力が低ければ患者が満足する治療ができませんので、患者はどこかの段階で離脱する可能性が高まります。
二つ目の理由は、これから単純なう蝕治療が減っていき口腔機能や歯周病などの問題が絡んだ複雑で難易度が高い症例が増えていくことです。
このことは国が平成24年にすでに指摘しており、治療技術が低ければ対応できる症例が減っていくのです。
三つ目の理由は、国は歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の治療技術を高めることによって「かかりつけ医」段階で対応できる症例を増やし、高度な治療は専門医や二次三次医療機関に紹介するいわゆる「医療供給体制の再編」を進めようとしているからです。
大学教育や臨床研修制度の見直し、新専門医制度もその一環なのです(上手くいっている様には見えませんが・・・)。
もちろん、診療報酬体系も改革に伴って変化していきます。
最近、点数が新設されたけれど自分の医院には関係ないというケースが増えていませんか?
初診再診や既存の点数しか算定できる項目がないのならば、国が進める改革に取り残されている可能性が高い。
先生が国が進める改革を理解した上で戦略的に新たな領域に足を踏み入れないのならば良いのですが、「良くわからないし面倒だから・・」という理由なら危険なのです。
この様に、特に若い院長が乗り越えるべき歯科医療と歯科医院経営のハードルは上がってきており、ハードルを乗り越えられなければ経営面で苦戦することが予想される。
私が、歯科医療機関の大規模化が進むとブログで書くのも経営の体力がなければ国が設定する課題を乗越えられないからです。
これは昔、アメリカの医療機関を視察したある首相が「日本も大規模な医療法人が増えないと駄目だ」と言ったことがキッカケだと記憶していますが、いまでも「小さな医療機関は連携することによって生き残れ」という主旨の言葉が審議会で出てきますので、歯科医院も提供できる歯科医療の質を高められなければ経営面でもジリ貧になっていくのです。
歯科医療と歯科医院経営のすべての大元は、
・治療技術
・診断力
・治療計画立案力
・治療提案力
・患者への寄り添い力
の質にあります。
ここが向上していかないと臨床面でも経営面でも苦戦するのです。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00