おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
ステージ四の「組織化」にも色々なレベルがあります。
フレデリック・ラルー氏が提唱した「ティール組織」が日本の歯科医院で誕生するのを見てみたい気もしますが、メンバーが主体的に行動できる「グリーン組織」と「ティール組織」の中間あたりが日本では現実的である気がするのです。
理由としては日本の歯科医療ではチーミングにおいて「学習フレーム」ではなく「実行フレーム」で構築されていることが多いからです(「チームが機能するとはどういうことか」エイミー・C・エドモンドソン著)。
「実行フレーム」とは決められている行動を実行することですが、その時々によって様々な問題が発生する医療においては、メンバーの誰もが思ったことを言え日常診療において自ら理想に向けた改善を繰り返す「学習フレーム」でなければ自律した組織には近づかないのです。
まだ院長の影響力が大きい「グリーン組織」を抜け出し「ティール組織」に近づいていくには、院長がチームへの自分の影響力を段階的に減らし「学習フレーム」でチームやプロジェクトを構築していけるのかにかかっているのです。
院長も失敗しながら学習を繰り返すことで成長してきた様にチームメンバーも「学習フレーム」で経験を積まないと自律した行動が出来るようにならないのです。
「グリーン組織」の院長が「学習フレーム」で院内を構築したとき初めて「ティール組織」への扉が開くのです。
「学習フレーム」を使ってステージ五を目指すときには「医療」が大きなテーマとなりますので、歯科医療従事者として成長したメンバーがその主体を担う必要があります。
なぜならこのステージを担うメンバーの主体はマズローが言う「自己実現エリア」に到達してしなければならず「実行フレーム」で育てられたメンバーではステージ五に到達することは出来ないからです。
医院の理想をチームが作るという「学習フレーム」のなかにメンバーがいて初めてメンバーは自覚をもち自らの手で成長しようとするのです。
もちろん、チーム内に「心理的安全性」を確立することが前提となることは言うまでもありません。
ステージ五のテーマは地域への貢献です。
だから医院規模は関係ないのです。
私が開業医団体時代にお世話になった泌尿器科の医師は地域の多職種と連携しながら懸命に地域医療を支えておられます。
在宅の患者からの電話は24時間OKで多職種や行政からの相談にも真摯に対応される。
そんな院長の姿勢がチームメンバーに伝染し患者からの信頼を集めておられるのです。
日本の医療機関経営では「経営面」を意識せざるを得ない。
しかしそこを乗越え地域の医療機関が本来担うべきプライマリケアに重点が移って真摯に日常の診療を続けてきたある日、
「地域住民や多職種、行政に欠かせない存在(ステージ五)」と周りが認定してくれる様になるのです。
ステージ五に到達しているのかをご自分で判断するのは難しいかもしれません。しいて言えば「患者の家族・友人・地域の行政や介護施設などからの紹介患者が増え続けているか?」でしょうか。
【注意】ステージ四をクリアしてステージ五に向かう前に院内を「学習フレーム」に変えてくださいね。
※読まれる方によっては少し難しかったかもしれません。申し訳ありません。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00