おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
院内で改善プロジェクトを進めたり新たな治療コンテンツを落とし込む為には、チームの構成、役割や効果的な取り組み方を設計しなければなりません。
そしてその時に「プロジェクトの目的」「リーダーの役割」「メンバーの役割」などのフレーム(一連の状況における信念や思い込みなど)を適正に設定する必要があるのです。
例えば、院長がプロジェクトについて「院長やリーダーがプロジェクトを推進し、他のメンバーはそれに協力する」というフレームを持っていれば、プロジェクトでは他のメンバーの多様な意見は反映されず成長に繋がりません。その他のメンバーは実行するだけの人になるからです。
また、「スタッフの雇用や医院を守る為に経営目標の達成が必要」だというフレームが院長からチームに共有されていれば、スタッフは自己保存の為だけに働き患者は置いてきぼりにされるのです。
いまスタッフのモチベーションが低かったり、お金にならないことはやりたがらなかったりする状況が先生の医院にあるのならば、高い確率で院内の取組みにおける院長のフレーム設定が間違っています。
院長がプロジェクトを提案した時にスタッフが下を向いているのは、提案内容にスタッフのやる気を起こさせる要素がないからであり、その時点でプロジェクトの失敗の確率は高くなるのです。
私ならこう提案します。
「幹部とも話しあってきたのですが、当院はこれからの6カ月で〇〇というプロジェクトに取組み成功させたいと考えています」
「皆さんも同じだと思いますが私は、当院に来院していただけるかかりつけ患者の病気を治療し健康に導きたい」
「そしてその為には今から提案するプロジェクトを必ず成功させる必要があると考えています」
「このプロジェクトに選ばれたメンバーは結果を出す能力があると私は思ってますし、皆さんは必ずやり遂げてくれると私は信じています」
「このプロジェクトの成功の意義は、”患者さんが抱える問題を解決する皆さんのスキルが向上し、いままで以上に治療や定期管理において結果を出せる様になること”です。」
「プロジェクトメンバーの誰かが答えをだすのではありません。メンバーの一人一人の意見が尊重され皆さんが積極的に意見を出し合い失敗しながらも諦めずに取組んでください。」
「失敗したっていい、皆さんと私は諦めませんから」
「プロジェクトによって患者を幸せにするだけでなく自分達も成長できる旅を楽しんでください」
「プロジェクトリーダーは排除されるメンバーが出ない様にファシリテートしてくださいね」
「私はこの医院を皆さんが家族や友人に自慢できる歯科医療機関にしていきたい!」
「その為に患者さんを健康にするために必要な苦労を一緒に乗り越えましょう!私は院長として全力でプロジェクトメンバーと皆さんをサポートするつもりです」
「ではプロジェクト内容を詳しく説明しメンバーを発表します・・・・」
とフレームを設定します。
そしてプロジェクトの目的が達成されたら経営的な目標も自動的に達成できるように幹部と一緒に設計するのです。
多くの医院ではプロジェクトの提案はしても、それを成功させる意義の説明が省かれたり皆で成功させようという機運を盛り上げる為の勇気づけがされていません。
売上や経営の数字の達成は「地域の患者とスタッフと院長を幸せに導く為の単なる手段」なのに目的の様にスタッフに話すから「院長はお金のことばかり」と裏でスタッフに言われる。
経営数値の達成は必要不可欠ですが院長がフレームの設定を間違えるとスタッフのやる気を奪い成果には繋がらないのです。
スタッフが新たなプロジェクトに前向きにならないのはチームメンバーの責任ではなく院長がプロジェクトに設定したフレームに問題がある。
極端に言えば院長は成長度が高く心が育った幹部スタッフ以外には「売上」に関することは言わずに成果を出せる様に導く必要があるのです。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
Posted at 05:00