おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
日経メディカルオンラインに支払基金の査定率が今後上昇していくという記事が掲載されました。
支払基金改革では2022年度中にレセプトのコンピュータチェック比率を9割にすることを目標にしており、審査委員会を開催することによって更に査定率を向上させていくというもの。
2026年頃には審査システムを国保とも連携させるようですので、今後、歯科医師の裁量権が制限されていかないかが心配です。
ちなみに医療機関からの再審査請求は保険者からの請求の50分の1に止まっている様です。
提出された再審査請求の約3割が復活しているそうですので、臨床的に正しい理由があるのならば面倒がらずに再審査請求をすることが必要だと感じます。
支払基金のコンピュータシステムは今後も進化して査定率がアップしていく予定ですので、医療機関側としても正しい算定の為の勉強会をもっとやって理論武装していく必要があると思います。
近年は「医学管理料」に該当する点数が増えていますが私はこれは「出来高⇒包括点数⇒標準診療」への準備だと捉えており2024年と2026年の改定でどんな項目整理がされるのかに注目しています。
とにかく、保険診療で生き抜いていかれる院長は青本を熟読していくことが大切です。
保険医療においては国の医療政策に最適化することによって適切な報酬を受け取れる仕組みになっていますので、例えば「総医」や「医管」などの算定を面倒がっていてはダメなのです。
初再診を含む既存の点数が大幅に上がることはありませんので保険診療の戦略をいしっかり立てる必要があります。
ちなみに新設されていく点数を戦略的に算定されていない院長がおられますが、戦略的な判断ならOKだと思います。点数を算定するには手間やコストがかかりますので「あえて算定しない」も戦略だからです。
また、定期管理や在宅医療、自費治療というしっかりした足場を持っておられる院長と持っておられない院長で戦略は変わります。
最終的には保険医療の対象が縮小し標準診療の可能性さえあるのが日本の医療制度です。
だから、変化していく日本の保険医療像をしっかりと読み解き国の方針に最適化しなければならないのですが、国が設定してくるハードルを乗り越えられる歯科医院が限られるのが現状なのです。
これからはここに「保険診療における生産性の向上」が加わってくる。
医療機関がこの厳しい経営環境の変化を乗越える為には「保険診療を活かした収益の上げ方」を熟知していくことが必要。
でないとい医院経営を安定化させる為に不可欠な保険診療が足かせとなるかもしれないのです。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
Posted at 05:00