おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
患者の口腔内の問題を解決する為に、
・治療技術を磨き
・治療関連知識を増やし
・最新の診断機器を使い
・十分な時間をとってカウンセリングとコンサルテーションをおこない
・最善の治療をおこなう
歯科医師として理想だと思うのですが、ここで問題が発生します。
それは、国はその質の高い治療をおこなっても採算が取れる診療報酬を支払ってくれないことです。
海外と同様に日本の医療制度も「出来高払い」から「標準診療」への移行が進んでいます。
そして診療報酬改定では国が進める政策に沿った治療には点数を付け、従来からの治療には最低限の報酬しか支払わなくなってきているのです。
そんな中で自費治療の質には及ばないものの「保険制度」を利用する患者にどれだけ質の高い治療を提供できる様にもっていけるのか?
それがこれから院長の腕の見せ所だと思うのです。
その為には先生の歯科医院が提供する治療や施術、医療サービスの採算性を考えることが必要です。
先生が今日治療した患者でいくらの売上を上げ、変動費や固定費を差し引いていくらの利益になったのか?
その利益を増やす為の対策を絶えずおこなっていくことが必要なのです。
その取り組みによって初めて保険治療の質も保たれていく。
歯科医療の進化と保険制度で提供できる治療品質の差が拡大していく時代において、保険制度であっても治療品質を高めていける歯科医院が増えて欲しいと私は願っています。
ただ、それを実現するのは簡単ではないのです。
例えば、先生が診療スタッフをアシストにつけ60分でおこなっていた治療を、歯科衛生士をアシストにつけ質を落とさずに45分でできる様になればアシストのコストがアップしたとしても診療効率は高まります。
また、それとは逆の考えで治療内容によってはドクターにアシストをつけず、歯科衛生士には定期管理の予約を入れるという考え方もあるでしょう。
技術の習得によって保険の根治の治療回数を減らしたりTCのスキルをアップしたり、治療技術が高いドクターが自費治療に集中できる環境を作ったり、ドクターの手間を増やさずに算定できる点数項目を増やしたり・・・
とにかく、提供する治療品質を落とさずに時間当たりの収益性を高める方法をチームで考えていけば色々とアイデアは出てくるのです。
スタッフと話していると、ドクターによって手間がかかる人とかからない人がいるそうです(笑)
でも、保険診療の質を落とさずに収益性を確保するには、その手間がかかるドクターが少ない手間で同じ成果(治療と収益)を出せるようトレーニングしていくしかないと思うのです。
「手の早さ」はドクターによって違い、トレーニングによっても完全には差が埋まらないのですが、やり方を工夫すれば時間の短縮はできる。
次回、令和6年の診療報酬改定が歯科だけでなく医療機関全体の正念場になりますので、院長は保険診療の収益性を治療品質を落とさずに高め、「大きな波」に飲み込まれない様に備えなければならない。
やはり、院長も勤務ドクターも基礎的能力を高め続ける環境に自分をおくことが大切ですね。
医業は楽をして成果を出そうとすれば落とし穴に落ちるのだとつくづく感じるのです。
Posted at 05:00