歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院で頼りになるチーフ。
例えば来週からいなくなったらどうしますか?
診療が回らなくなる?
スタッフをまとめる人がいなくなると困る?
答えは「次のリーダーが育つ」です。
人は頼りになる存在がいると自分がその役割をやらなくて良いと思ってしまう。
だから、長年頑張ってくれているチーフがいると次のリーダーが育ちにくくなるのです。
多くの歯科医院でチーフが役割ではなく地位になっています。
次の世代を育てるにはチーフに上位ステージの役割を用意し、チーフの席を次の世代に明け渡す必要があるのですが、多くの院長はそれをしません。
理由は「理解者であるチーフを固定した方が院長にとって楽だから」です。
組織づくりの原則から言えば、スタッフの中からビジョンや中期経営計画などの決定に関わる人を育てていく必要がある。ピラミッド型にすると弊害が多いので、フラットなチームのメンバーでありながら上位の意思決定に参加する人財を育てる。
だから優秀な人財を「チーフ」という地位に固定してはいけないのです。
チームは生き物です。だから現場を一番知っている人たちが現場で意思決定することで決済スピードが上がる。
月1回の全体ミーティングまで決定を先送りする組織は時代遅れなのです。
これからの時代、院長の下にチーフがいて定期会議で意思決定がなされる組織では困難を乗り越えられない。
だからチームごとに課題の意思決定をする。
歯科医院経営の致命傷になることは避け、チームメンバーが失敗しながら行動し経験値を上げることによってチームが成長サイクルに入ることができます。
大阪の東淀川区にある「幼保連携認定こども園 聖愛園」ではインクルーシブ保育を実施し、5歳児がリーダーとなってチームづくりを進めています。
だから正しい環境さえあれば人は適切なリーダーシップを取れるのです。
失敗が許されない環境で育った人ほど自尊感情が低く、軽度の失敗は許容され問題にされない環境にいる人ほどアイデアが豊富で行動に結びつき易いのです。
院長が細かいところまで把握して指示をだす組織。
そんな環境では活き活きと働く人など育ちません。
自分も納得して任された課題を、不安を感じながらも自分の力で乗り越える。
その経験を積み重ねることによって人は成長し自走を始めるのです。
院長とチーフが権限を手放しチームに委譲する。
それを実現出来た院長だけに次のステージが用意されているのです。
Posted at 05:00