歯科医院経営コーチの森脇康博です。
私がスタッフと初めて面談をすると、私が何を言うのかとスタッフは緊張します。
そして、この人に自分を素直に表現しても良いのか、それとも自分を出せば否定される(または院長に報告される)のかを見抜こうとするのです。
だから私はまず、スタッフの警戒心を解く必要があるのです。
院長とスタッフとの面談で、「怒らないから何でも思っていることを言ってね」と言われたスタッフが思っている事を言ったら、見る見ると院長の機嫌が悪くなった、というのはあるあるです。
そして、一度こういった痛い経験をすれば、スタッフは本音と建前を使い分ける様になるのです。
「院長から聞いていたスタッフのマイナス評価と実際に面談をしたスタッフの印象は高確率で違う」
「院長から聞くスタッフのプラス評価と私が感じた印象は高確率で同じ」
これは私にとってのあるあるなのです。
また、院長が歯科医療における大切なことをスタッフに伝えているのに、スタッフがなかなか実践しない場合があります。
院長の言葉に「はい、わかりました」とは答えるのですが、一向に実践しようとしません。だから院長はイライラしてしまいます。
こんな時は同じアプローチを何回繰り返しても無駄です。
何故なら、そのスタッフには実践できない正当な理由(本人にとって)があるからです。
原因の多くは院長が「安全領域」を形成出来ていないから。
そんな、スタッフでもプローチを変えることで動き出す場合があります。
「北風」ではなく「太陽」のアプローチを使うのです。
ただ、「太陽」アプローチを勘違いしてスタッフのご機嫌を伺う院長がいますが、それは絶対にやってはいけません。また、過剰に褒めたりすることもマイナスにしかならないのです。
一度、「北風」アプローチを使った院長をスタッフはなかなか信用してはくれません。でも、続けていると少しづつ心を開いてくれます。
勿論、スタッフが心を開いて話してくれたことにダメ出しをするのもNGです。初診カウンセリングで患者の口腔内の状態にダメ出しするのがNGであるのと同じです。
ラポールが築けていない状態でスタッフに何をいっても腹には落ちないのです。
また、殆どの人は「安全領域」がないと動き出すことはありません。
だから私は「安全領域」をつくり、出てきてくれたスタッフの話を聴き勇気づけるのです。
スタッフの良さを活かす院長、それはスタッフを丸ごと受入れ、スタッフが伸びたい方向に背中を押す院長です。
そして、スタッフの良さを消す院長は自分の思う通りにスタッフを動かしたい院長なのです。
スタッフの伸びたい方向に背中を押せば、段々と院長の行きたい方向に進むことにも力を貸してくれる様になる。
「返報性の原理」です。
雇用関係や上下関係で人を動かすのではなく、共感と尊敬で人が動きたくなる状態をつくり出す。
それがリーダーシップの基本です。
そういう環境の中でスタッフの内発的動機も生まれるのです。
少し難しいかもしれませんが、頑張ってみてください。
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テーマ:スタッフ育成、チームビルディング
Posted at 05:00