歯科医院経営コーチの森脇康博です。
院長:
「勤務ドクター募集しても応募がないなぁ。良い人が来てくれたと思ったら開業するし、開業しないという人は意欲的でない場合も多いし・・・。」
「やる気が出過ぎたら開業するかもしれないし・・・」
「あまり強く指導して退職されると困るしなぁ」
院長のお悩みは尽きません。
意欲的な勤務ドクターの研修参加費などを負担し「よし、これからだ」と思ったら開業を告げられたという話もよく聞きます。
最近は、有力な歯科医院数件に2~3年づつ勤務した後で開業するという勤務ドクターも増えていて、院長は優秀な人財に働き続けてもらうことに苦心されることも多いでしょう。
では、勤務ドクターに意欲をもって働き続けて頂くのに何が必要なのでしょうか?
私は、「院長が勤務ドクターと一緒にキャリアパスを描く」ことだと考えています。
私は勤務ドクターとも面談しますが、多くのドクターは自分のキャリアパスを描けていません。また、歯科医師としての心が未熟である場合も多いのです。
ドクター1~2年目は不安が大きく、5年を負荷がかからない環境で過ごすとマンネリになり成長意欲がなくなる。
負荷をかけないで放置していると、新しい治療技術を身につける、自費で技術研修に参加する、ということはしないのに、待遇面だけには敏感なドクターになってしまうのです。
でもスタッフの育成カリキュラムはあっても勤務ドクターごとの育成計画が明確でない医院も多いのではないでしょうか。
スタッフは歯科医師を「頼れるか」「尊敬できるか」で見る、と以前書きました。それは勤務ドクターに対しても同じです。
技術もホスピタリティも未熟なのに「ドクター面」をする勤務ドクターをスタッフは馬鹿にしますし、技術が未熟でも真摯に患者に向き合う勤務ドクターをスタッフは全力でサポートしようとするのです。
問題は勤務ドクターが輝ける舞台がないことです。
院長に尊敬が集まり、勤務ドクターのセルフイメージが上がらないのも退職の一因になります。だからそれを上げてやる必要があります。
「そんな事は自分でやるべきだろ」
いま、そう思われましたか?
でも、そう考えるから先生は開業され、そう考えないから開業しないし成長しない勤務ドクターがいるのです。
院長は勤務ドクターをスタッフから尊敬される人物に育てる。
その為に、技術だけではなく歯科医師としての心構えも教える。
あとは、院内に勤務ドクターの活躍の場をつくるだけです。
勤務ドクターのポジションを輝かせ、努力によって尊敬を集められる様に構築すれば、医院によっては「勤務ドクター」を遣り甲斐の持てる憧れのポジションに変えることが出来ます。
ハッキリ言って開業して成功するには「器」が必要です。
残念ながら事業計画の時点で失敗が高確率である場合もある。
開業することのリスクが高まる時代、無謀で不幸な開業を無くしていくことも大切だと思うのです。
でも、地域医療を守っていく為には歯科医師を目指す人の確保も必要。
だから、その受け皿として勤務ドクターのキャリアパスモデルの構築が必要だと思うのです。
未来を見通せる場所にすることで人財は集まりやすくなる。
私はそれを意識して勤務ドクターと関わる様にし、院長と相談を続けています。
キャリアパスモデルの構築にまずは大きな歯科医院が取組み、中規模医院がモデリングできる様にしていくことで、「勤務ドクター」が歯学生の有力な選択肢となると考えます。
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Posted at 05:00