中大型歯科医院では段階的なスタッフへの権限委譲によって個人の自律性を育てることが必要なのですが、権限委譲を考える場合、重要なポイントがあります。
一つ目は
スタッフに権限に見合う力量があるか
二つ目は
権限に関してスタッフは周りからの信頼を得られているか
三つ目は
正しい権限委譲のステップを経て委譲されたか
四つ目は
任せ切れるのか
五つ目は
スタッフの成長度と比べて権限の大きさは適切か
の五つです。
このうちの一つでもクリア出来ないならば、権限の委譲は上手くいきません。
また権限を委譲する為には「権限の正しい使い方」のトレーニングが必要です。
「院長の様に出来る自信がない」
そう悩むスタッフに「現段階での理想のやり方」を見せてあげて出来るまで寄り添ってあげる必要があります。
周りからの承認だけではなく、権限を任されるスタッフの自己効力感が育たないとスタッフは不安になり、院長に承認を求めるのです。
また、結構見かけるのですが、権限を委譲したのに
・任せたスタッフのやり方に口を出す
・権限を付与したスタッフを飛び越えて指示を出す(二重権限)
をやってしまうと「自責⇒他責」に戻ってしまいます。
個人の能力開発や権限委譲は「ある日突然やってくる」のではなく、計画的におこなうものです。
まず「あなたには〇〇についての役割を担って欲しいと思っています」と本人に伝えます。
そして完全に権限委譲するまでの間1on1ミーティングを重ね、サポートして任せる期間をつくり、成功体験を積ませてから完全権限委譲をおこなうのです。