歯科医院経営コーチの森脇康博です。
今回は「必殺の増患テクニックに反応していませんか?」です。
人が大好きな物の一つに必殺テクニックがあります。
例えば
「楽して1カ月で10kg痩せる!一日一回飲むだけ」とか
「必殺テクニックを利用して3カ月で自費率が10倍に!」とか
なんて見出しに人は反応する構造になっています。
「楽をして結果をだしたい」と人は思うのです。
※ビジネス面だけで考えるとある意味正解ですが・・・。
テレビショッピングではトークの構造は基本的に同じです。
「おまけ」「限定」「芸能人がお勧め」「30分だけ」などと、心理的に誘導するのです。
書店には
「私が○○した、たった一つの方法」的なタイトルの本も沢山ならんでいて、「必殺クロージングテクニック」なんて本の周りには営業マンらしき人も多く見かけるのです。
でも、実際に成功した人の話を聴くと、地道に積み上げてきた信頼関係が90%でテクニックは10%程度しかないのです。
「どうして成功したか」という本当の話を書くと本がまったく売れないそうです。
歯科医院ではどちらかと言えば、「真摯に診療を続けてきたけど、その価値を上手く患者に伝えられない」院長の方が多いのですが、中には増患テクニックだけを教えて欲しいという方もいらっしゃいます。
確かに、マーケティングや心理学のテクニックを駆使すれば患者を集めることも可能ですし、自費率を高めることも出来ると思います。
ただ、それで良いのでしょうか?
以前、「患者を紹介すれば電動歯ブラシをプレゼント」というホームページを見た時に私は愕然としてしまいました。
物で釣られる患者はすぐに転院してしまいますし、そんなテクニックだけで創りあげた歯科医院は外部マーケティングに行き詰れば立て直せません。
真摯に患者に向き合い、長年かけて積み上げてこられた医院文化、地域医療における信頼関係は財産になり消えません。
そしてお金では決して真似が出来ない。だから、他の医院は追いつけないのです。
そういう医院だからこそ私の様な経営コーチが、治療システムやスタッフという原石を磨いてその価値を患者に上手く伝える為のノウハウを提供できるのです。
マーケティングのテクニックは院長が積上げた価値を伝える為の「手段」
私は、先生の価値や想いを患者に伝える為には「マーケティング」や「心理学」を使うことは必要だと思っています。
「真面目に治療を続けていれば口コミ紹介が増える」というのは間違いで、口コミ紹介を増やすのには仕掛けも必要だからです。
開業医団体に勤務している頃、「真摯に歯科医療に取組んでおられるが、その価値を上手く患者に伝えられない院長」を見て、
「こんな院長の所にこそ患者に集まって欲しいのに・・」ともどかしさを感じていました。
そういう真摯に歯科医療に取組まれる院長を私は尊敬しています。
テクニックは必要です。ただ、それらのテクニックは院長が地道に積み上げている「歯科医療」の価値を患者に伝える為に使わなければならないのです。
「価値を積み上げる」努力を怠っていると外部マーケーティングだけに頼らなければならなくなります。
歯科医師として、スタッフと一緒に苦労しながら、患者と地域に信頼される歯科医院を創りあげようとしている院長の価値を、内部マーケティング技術を使い患者に伝えていくサポートをすることに、私は遣り甲斐を感じています。
真摯に歯科医療を続けているが「原石」が見つからない、どう磨いたら良いのかがわからないという院長をサポートすることも遣り甲斐を感じます。
しかし、たまにかかってくる「ビジネスとしてどう儲けるか」や「苦労しなくてもボタンを押せばすぐ成果」的な要望には困ってしまうのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00