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◆歯科医院経営ブログ

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「あの院長のもとでは無理」とスタッフが思う瞬間  [2018年10月18日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
 
 
 
歯科医院経営で一番難しいのがスタッフマネジメントです。
 
●院長からよく聞く言葉
「スタッフにいちいち指示しないと空気を読んで動けないんです」
「理念について伝えているんですがスタッフが行動にできないのでイライラします」
「私(院長)が思う様にスタッフが動いてくれないんです」
「勤務年数が古いスタッフをチーフにしたんですが、リーダーシップを取れないんです」
「なんでこんことも出来ないの?って思ってしまいます」
「うちのスタッフは友人の医院のスタッフに比べてレベルが低い」
 
 
 
 
 
きっと院長がイメージしているのは
治療の流れを読んで、院長がして欲しいことを先を準備し、即座に実現してくれるスタッフ。
 
 
実際にそういうスタッフは存在します。皆から信頼され、診療の現場をドクターも含めてコントロールできるチーフとチーム創りをしたことがありますが、彼女の洞察力と再現力、リーダーシップはずば抜けていました。
 
 
 
 
 
しかし、現実にはそんなスタッフ集団が簡単に手に入る訳がありません。
 
 
何故なら
①スタッフごとに現在の成長ステージが違う
②スタッフごとにコミュニケーションタイプが違う
③スタッフごとに身についている素養が違う
④指示されたことのイメージ化、再現能力が人によって違う
⑤言葉は院長が考える以上に伝わらない
 
からです。
 
 
 
 
人によって見えている景色が違う
 
成長ステージが高い程、問題点が多く視え、視える問題の質は高度になります。
だから、成長ステージの低いスタッフに院長の視点で話してもピンとこないのです(スタッフレベルに分解して少しづつ落しこんでいくことは必要ですが)。※小学生に大学の問題を解けと言うのと同じです。
 
 
 
多くの歯科医院では
①ティーチング(指示)
②コーチング
③サポートして任せる
④任せ切る(権限委譲)
のステップをよく理解できていません。
 
 
 
 
例えば、テーチングが足りていないスタッフにコーチングアプローチを実施しても、スタッフの中に存在する「答え」がぼやけているので効果が薄いのです。
 
正しいステップの進め方を理解できていないから、2~3年目あたりから成長が止まるスタッフが出てくるのです。現実的には2~3年経てば基礎教育は終了とされる場合が多く、放置されてしまうのです。
 
 
 
私はこれを「マネジメントの壁」と呼んでいます。
 
 
 
 
 
「自分の中途半端な知識と技術で後輩に教えて良いのかと思いながらやっています」と言う中堅スタッフも多くいます。
 
「時間で働くのではなく身につけたスキルで給料をもらう」という考えからすると、スタッフは自らの時間とお金を使ってスキルを高めていくべきですが、その場に止まっているスタッフを放置すると全体に影響しますし、退職につながりますので医院にとって問題があります。
 
 
しかし理想はわかっていても、現実的には成長させていく側のマンパワーが不足していますので、外部講師を招いて研修をしたり研修に参加してもらうという歯科医院が多くなります。
 
 
 
 
 
スタッフは学んだことを表現する場と力量がない
 
研修に参加してやる気になったスタッフには現実の壁が待っています。
研修で教わり共感できた事を院内で実行できないのです。
 
 
理由は
①学んだ事を実行する意欲とスキルが足りない
②学んだ事を実行する権限がない
③院長にアイデアを否定される
④その前に研修内容に共感していない
などです。
 
 
 
実際にはスタッフが提案するアイデアは未熟であり、そのままでは採用できないことが多いのですが、問題はその提案の扱い方にあります。
放置したり減点視点で扱ってしまう院長がとても多いのです。
 
「スタッフの意見を尊重する」ことが出来ないと、火がつきかけたスタッフの”やる気”は簡単に鎮火してしまいます(外発的動機)。
 
 
 
 
この状態を繰り返すと、スタッフは
「いくら良いことを学んでも、あの院長のもとでは無理」ということを学習することになります。
 
 
 
問題なのはこの「認知行動パターン」が大脳辺縁系に刷り込まれてしまうことです(これらの事はABCモデルを使って説明できます)。
 
この状態を放置すれば、意識が高まったスタッフは遣り甲斐を求めて他の医院に行ってしまうのです。
 
スタッフの心を育てるなら「表現やチャレンジの場」を与えてあげなくてはならないのです。
 
 
 
 
他にも院長が原因でスタッフが辞める理由には
・院長の言行不一致(院長がが言出して院長がやらない)
・言っている事が一貫していない(セミナーに行く度に変わる)
・口を開くとすぐ「売上」
・特定のスタッフを贔屓する
・頑張っても気づいてくれない
・イライラしてすぐ怒る
 
など沢山ありますが、スタッフとの信頼関係を構築できていれば「仕方ないなぁ」と思ってもらえることも多いです。
 
 
 
 
 
 
 
「スタッフひとり一人との関係が希薄になる」という問題は歯科医院の組織が大きくなるほど深刻になります。忙しい院長がスタッフひとり一人と目線を合わせることが困難になっていくからです。
 
 
 
 
スタッフを成長させるには仕組化が不可欠です。
外発的に動機づけることは出来てもそれを内発的な動機に導いていく為には、スタッフ個々の育成計画が必要ですが、スタッフが多い場合(+スモールリーダーが育っていない)には同時並行的におこなうのには無理があります。
 
 
 
 
また、スタッフ全員を同タイプに成長させるという考えは間違いです。
野球に例えれば、1番バッターに向いているスタッフもいれば、4番候補もいるのです。
 
それは誰が優れているかではなく、個性なのです。
 
その個性をどう伸ばすかを考えるべきで、全員を4番バッターに育てようとすると組織は崩壊していきます。
 
パレートの法則で考えるとスタッフ人数の20%を選んで集中的に院長との目線を合わせていくことが理想です。
 
 
 
 
さて、まずは誰と誰をどんなバッター(ピッチャー)に育てますか?
 
 
 
 
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