「成果を出せる根拠」が踏み出す力を生む
動こうとは思っているがなかなか踏み出せない・・・。そう感じている院長に共通しているのは、「この対策で成果が出せる根拠」が足りないことです。成功している院長は経営対策で成果を出せる根拠を複数持っています。失敗しながら身につけたスキル、数値で裏付けられた仮説、過去の投資回収の実績、専門家のサポート・・・。これらが成功への根拠となり判断の自信を生みます。
根拠が十分でないまま動くことへの不安は自然です。しかし「完全な根拠が揃うまで待つ」という姿勢では、永遠に踏み出せません。先ずは早い段階で調査と準備を始め新たな挑戦に踏み出すための準備が70%整えば踏み出す。残りの30%は動きながら修正する。この感覚を持てるかどうかが、経営判断の質を決めます。
「経営資源が戦略を実行できる状態か」を確認する
ただ、踏み出す前に確認すべきことがあります。戦略や戦術を立て、実行して成果を出せる状態に、今の自院はあるのか?という問いです。
たとえば、治療コンサルを充実させて患者の不安に寄り添い、丁寧な治療説明で自費診療を増やしたいと院長が考えたとします。しかしそのコンサルを担える人材が院内に育っていなければ、戦略と戦術はすぐには機能しません。この場合の選択肢は二つです。まず紙芝居形式のシンプルな説明から始めながら、並行して外部でコンサルスキルを学ぶか。あるいは適性のある人材を採用・育成できるかです。
戦略の質と、それを実行できる人材や組織のレベル、構築してきたスキルが合っていない状態で動くと、院内に混乱を招きます。外部セミナーで仕入れたコンサルの型を、育っていない人材に無理やり当てはめようとすることが典型的な失敗パターンです。
上流思考で動く院長と、下流思考で動く院長
同じ戦略を実行しても、成果に差が出る理由の一つが「思考の流れ」にあります。
上流思考の院長は、構築する仕組みの規模が大きければ数年前から準備を始めます。「3年後にこういう医院にしたいから、今年はこの人材を育てる」「来年この施設基準を取得するために、今期はこのオペレーションを整える」。先を見て、成功イメージから逆算して動きます。小さな失敗はしますが、早く取り組むほど課題を解決でき正解にたどり着くのも早い。
下流思考の院長は、問題が起きてから動きます。「人材が育っていないのに新しい仕組みを導入しようとする」「施設基準を取得したが算定できる体制が整っていない」。対処が後手に回り、コストだけがかかって成果が出ません。
アーリーマジョリティ層の院長は基本的に上流思考の傾向があります。小さな失敗を恐れず動き、修正しながら前に進む。この特性を活かすことが、踏み出す力の源泉になります。
先ず始め「70%の準備」で踏み出す
完璧な準備が整うまで待つ必要はありません。完璧な準備をしたつもりでも課題が多く発生するからです。新たな挑戦に踏み出すための準備が70%整っているかを確認し、整っていれば動き始める。残りの30%は動きながら見えてくる課題を修正することで補う。この判断の感覚が、経営の踏み出し方の本質です。
先生の医院で今取り組もうとしている経営対策は、実行できる経営資源が70%整っていますか。人材・資金・時間・院長の関与・・・この四つが揃い始めているなら、踏み出すタイミングです。次回は、今すぐ始められる具体的な一手を論じます。
先生の医院のこれからを、心から応援しています。
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