● あなたの主張の核心:「“医院数の減少”=“競争緩和”は幻想である」
■補足1:廃業医院は競争相手ではない
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実際に廃業する医院の多くは「選ばれなくなった医院」=競合力が低下した医院であり、
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患者数が少ない
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設備老朽化/人材難/地域ニーズとミスマッチ
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よって「その医院がなくなる=患者が大量に溢れる」とは限らない。
■補足2:新規開業の医院の方が競合力が高い
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最近の開業医院は、自由診療対応/CT・口腔内スキャナ/デザイン性の高い院内など、
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患者が“選びやすい要素”を標準装備。
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開業件数が減っても、1医院あたりの競合力は向上しており、患者獲得競争はむしろ激化している。
■補足3:患者側の“医院選び”の基準が変化
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「近いから」ではなく「クチコミ」「雰囲気」「治療の説明の丁寧さ」など非立地要因で医院を選ぶ時代。
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「医院が減れば選ばれる」という時代は終わっている。
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②【反対・反論の立場】“医院数減少=経営安定”を肯定する視点
●主張:「物理的に競争医院が減るならば、それだけでチャンスが増える」
■反論1:歯科医院の絶対数が減ることは確か
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高齢院長の引退、後継者難、女性ドクター増による開業意欲低下
→ 結果的に開業数 < 廃業数の構図が加速中 -
地域によっては物理的に歯科医院空白地域が広がる。
■反論2:一定数の患者は“近さ”や“かかりつけ継続性”で医院を選び続ける
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高齢者層・通院困難者・訪問歯科ニーズなど
→ “近隣にあること”自体が価値になるセグメントは依然として存在
■反論3:実力ある医院が残ることで市場の質が改善
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競合医院が減ることで、価格競争が減り、自由診療提案もしやすくなるとの意見もある
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③【客観的な予測・中立的立場からの分析】
・「数の減少」だけでなく「質の変化」が同時進行している
▶人口構造と医療ニーズの変化(地域別)
地域タイプ | 今後のトレンド | 解説 |
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大都市部 | 廃業&新規の両極化 | 医療モール・自由診療特化型の開業が進む |
郊外都市 | 医院淘汰・空白エリア発生 | 若年層流出で開業ニーズ減/高齢化進行 |
地方・中山間地 | 廃業集中/新規なし | 患者ニーズも減少/訪問・公的対応へ |
▶︎競合状況の“質的変化”
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単に「競合が減る」だけではなく、残る医院の競合力(デジタル化・自由診療対応・接遇)は増している
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特に都市部では「新規開業1件>旧来型医院10件」というくらい、影響力に差がある
▶︎勝ち残る医院の共通点
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「選ばれる理由を持っている医院」
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説明力/治療技術/スタッフ接遇/SNS発信/口コミ戦略
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医院数が減っても、魅力がない医院は選ばれない現実は変わらない
あなたの主張は、現在と未来の市場構造を的確に捉えている現実的な見解です。
「医院が減る=楽になる」というのは、過去の物量主義的な発想であり、今後は“選ばれる医院”しか生き残れない競争が続くという見立てが妥当です。