“イベント”は患者の獲得手段ではなく“信頼構築の入口”
先生の医院では、子ども向けイベントを開催していますか?また、開催の目的や成果を振り返ったことはありますか?
近年、郊外や住宅地に立地する歯科医院では、子どもをきっかけとした家族ぐるみの来院が増えてきています。その入口として機能しているのが、子ども向けのイベントや院内キッズ向けプログラムです。
「イベントで人を集めても、売上につながらないのでは?」という疑問をお持ちの先生も多いですが、実際には“患者と医院の心理的距離を縮めるツール”として非常に効果的です。ある医院では、年2回のイベントを通じて子どもの定期管理患者が年間37名増加し、お母さんからの紹介も増えました。
成功のカギは「子どもが楽しみ、親が納得する」設計
効果的な子ども向けイベントには、2つの要素が欠かせません。
1.子どもが楽しめること(=また行きたいと思える)
2.保護者が価値を感じること(=安心して任せられると感じる)
例えば以下のような企画が好評です:
・白衣を着ての「歯医者さん体験」コーナー
・染め出しチェック&歯みがき指導→終了証の授与
・院内スタンプラリー
・食育クイズ大会(食べ物の絵を描いたシートを作成)
・子どもの歯並び相談コーナー
・スーパーボールすくい、キッチンカー等
イベントの狙いは「楽しませること」ではなく、“この医院に通わせたい”と保護者に思ってもらうことです。そのため、専門的すぎず、安心感と清潔感を伝える演出が効果的です。
お母さんやお父さんと日頃は十分にできないコミュニケーションを取ることで、来院時の会話も増えて子どもの歯みがきなどへの悩みも話してくれるようになるのです。
準備と告知は“3か月前”からが鉄則
イベントの成功には、計画的な準備と情報発信が欠かせません。
・3~1ヶ月前: 企画→院内ポスター、手配りチラシ、LINE配信、Instagramで周知(フォロワー拡大)、オンライン申し込みフォーム作成(募集定員を決める)
・1ケ月前: 予約リスト記入(参加者数の把握)、当日運営打合せ(役割担当分け)、イベント準備表を作成し必要なものを手配
・2週間前: 当日運営表を基に打合せ、トラブル対応法などを決定
・前日: 動線確認とシミュレーション(特にけが人対応、事故防止導線)
地域の幼稚園・保育園にチラシを届ける医院もありますが、一番反応があるのは“既存患者への告知”です。「子どもが通っていて安心できる」「家族で来やすい」といったイメージがクチコミで広がっていきます。
スタッフ全員が関わる「体験型運営」で一体感も向上
イベントを一部のスタッフに任せきりにせず、チーム全体で企画運営することが成功のポイントです。
・受付:予約管理、来場チェック、保護者との会話
・歯科衛生士:ブラッシング・染め出し・保護者向けミニ講話
・診療スタッフ:スタンプラリーやゲームの進行
・医院全体:院長や勤務ドクターも白衣姿で子どもと写真撮影
このように“医院全体で楽しむ”姿勢が、患者にも伝わります。
ある医院では、イベントをきっかけにスタッフ間のコミュニケーションが活性化し、日常の関係性も良くなりました。チームビルディングとしての効果も無視できません。
保育スタッフがいるのならば、企画や運営のリーダーを任せるなどスタッフ個々が持っている能力を発揮できる様にしてください。
あつ、そうそうイベント企画と運営は院長の口出し厳禁ですのでご注意を!
最後に:先生の医院では、「地域に愛される医院」への取組みを続けていますか?
今後の診療報酬改定では、地域多職種連携・継続管理・重症化予防強化が評価される方向です。その流れに対応するには、患者との信頼関係構築が何より重要。子ども向けイベントは、その最初の一歩として非常に有効な手段です。
先生の医院では、子どもをきっかけにした家族ぐるみの関係づくりが進んでいますか?
また、イベントを“楽しさ”だけで終わらせず、医院の理念に結びつける工夫はできていますか?
もしご関心があれば、「イベント企画運営」や「患者コミュニティ」の導入サポートもおこなっています。ご興味のある先生は、お気軽にご相談ください。