今日は歯科医院の成長に必要な「マーケティング視点(集患・認知・ブランディング))」。
1.オペレーション視点(業務効率化)
2.患者視点(サービス向上)
3.歯科医療としての視点(医療の質)
4.5S視点+安全視点(職場環境・感染対策)
5.マーケティング視点(集患・認知・ブランディング)
ホームページは「医院の鏡」――過大でも過小でもいけない
中規模の歯科医院が次の成長ステージへ進むために、マーケティングの視点から避けて通れないのが「ホームページとSNSの戦略的活用」です。特に、10~30人規模のスタッフを抱える医院にとって、外部との最初の接点はホームページになるケースが増えています。
このホームページ、実は「医院の鏡」です。治療技術や設備を誇張して見せすぎれば、実際に来院した患者とのギャップが不信感につながりますし、逆に「良さを伝えきれていない」控えめな作りでは、せっかくの魅力が埋もれてしまいます。医院の成長に伴い、院内体制や診療の幅も進化していくのですから、それに応じてホームページも見直しが必要です。
先生の医院では、現在のホームページが「今の医院の姿」を正しく映し出していますか?
「院長の想い」や「院内の雰囲気」は、患者にとって最大の安心材料
来院前の患者が気にするのは、料金や診療内容だけではありません。むしろ「院長先生はどんな人なのか」「スタッフは親切そうか」「医院の雰囲気は温かいか」など、感覚的な安心感を求めています。こうした要素は、静止画の設備写真だけでは伝えきれず、院長メッセージ動画やスタッフの紹介コンテンツ、診療風景を切り取った写真など、感情に訴える情報が有効です。
特に、都市近郊のような競争が激しいエリアでは、「医院の個性」が選ばれる大きな要素になります。ある郊外の医院では、歯科衛生士が患者に定期管理の大切さを語る動画をInstagramで発信し続けたところ、「健診をして欲しい」と患者が訪れました。これは「患者に健康であって欲しい」という思いがSNSを通じて伝わった好例です。
SNSは「つながりの場」――ホームページとの役割分担を考える
現代の患者は、SNSから医院を知るケースも少なくありません。特に若年層や子育て世代の来院を目指す場合、InstagramやYouTubeなどの発信が効果的です。ただし、SNSは「つながり」を育てる場であって、詳細な医療情報や料金体系を伝えるには不向きです。SNSで興味を持った人をホームページに誘導し、しっかりと医院の価値を届ける――このような役割分担と導線設計が求められます。
SNSで日常の雰囲気やスタッフの人柄を伝え、ホームページで理念や診療内容、設備をしっかり伝える。この流れが自然に設計されている医院は、集患の安定性も高い傾向があります。
制作会社選定と運用体制が「効果の9割」を決める
よくある失敗に、「安価な制作業者に依頼してホームページが機能していない」「更新されないまま3年放置されている」「SEO対策にお金を支払っているのに効果が出ない」といったケースがあります。ホームページは「作って終わり」ではなく、「育てていく」ものです。
そのためには、医院の理念や方向性を丁寧にヒアリングし、定期的に改善提案をくれるパートナー事業者の選定が重要です。また、SNSも含めた更新体制をスタッフ内に仕組み化することも欠かせません。実際に、受付スタッフが週に1回SNS更新を担うようになったことで、患者との接点が増えたり(患者から発信内容について言われた)歯科衛生士の採用に繋がった例もあります。
医療法の広告規制にも注意しながら、伝える力を高める
ホームページやSNSを活用する際には、医療広告ガイドラインの遵守が欠かせません。過度な広告内容などは今後さらに規制が強化される見込みです。そのため、誠実かつ事実に基づいた「理念・人・空気感」を伝えることが、法的にも信頼構築の面でも重要になります。
「医院の魅力を“正しく”伝える」ことは、広告ではなく、広報やブランディングの文脈で行うべきです。これは経営者としての発信であり、医院の未来への投資とも言えます。
先生の医院では、「今の医院の姿」を伝える仕組みが機能していますか?
ホームページとSNS、それぞれの役割と連携が整理されていますか?
スタッフが自院のホームページをよく見ていないというケースもありますので、一度、スタッフと一緒にホームページを見ながら「医院の魅力が正しく表現されているか」について話し合ってみてくださいね。