おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
昨日、一昨日と歯科医院の経営リスクについて書きました。
では、先生の医院が経営リスクを乗越えて理想の歯科医院を築く為に何が必要なのでしょうか?
それは、
「歯科医師としての私はどんな理想の歯科医院を作りたいの?」
とご自分に質問し、
そしてその答えに対して、
・遊ぶ時間が無くなっても実現したいの?
・家族との時間も制限されるけれど、それでも実現したいの?
・その理想は地域の多くの人たちを幸せにできる?
・その理想は周りの人たちが応援したいと思うもの?
・ゴールにたどり着くまでに問題が沢山発生し苦労するけど、それでも実現したいの?
・大失敗をする可能性もあるけど、そこから立ち上げって前に進む覚悟はある?
・経営が上手くいきお金持ちになっても緩めることなくその苦労を続けられる?
と聞いてみるのです。
稲盛和夫さんの言葉に
「動機善なりや、私心なかりしか」
というものがあります。
掲げた理想が地域社会に貢献できるものであり、自己犠牲を伴っても実現する為の行動と発信を続けると「共感できる」「応援したい」という人が現れ、少しづつその輪が大きく強くなっていく。
逆に、経営を改善していく目的が「自分の収入を増やす」事であったり、「ビジネス的に成功する」ことであれば、経営的には成功するかもしれないですがご自分が描かれた「歯科医師としての理想」とは違ったものになるかもしれないのです。
どんな困難が目の前に立ちはだかっても前進を続ける為の「核」を院長が持ち続ける事が出来るのか?
それがなければ経営が軌道に乗った時点で院長の気持ちが緩み言動に表れていきます。
するとスタッフが違和感を感じて院長を尊敬できなくなっていくのです。
それが経営にもマイナスの影響を与え業績が下がったり人が辞めていく様になっていく。
開業医団体時代からの42年間で、そんな話をいっぱい聞いてきました。
やはり、院長が理想に向かうモチベーションを保ち続け、
その理想にチームメンバーが共感し、
院長とチームメンバーが理想にたどり着く為に最大限の努力を続けること。
すると、
患者や地域がその世界観に惹きつけられ、
口コミ紹介によって遠くまでその評判が伝わる様になり、
遠くからでも患者が行きたいと思う様になるのです。
そこに向かう為には、
「動機善なりや、私心なかりしか」
の時点で違っていたら院長はどこかで躓くことが確定する。
42年も医療機関と関わっていると、医院を見て「苦労するだろうな・・・」「経営が上手くいかないだろうな」というのはすぐに分かる。
院長が立派な理想を語ってもスタッフが応援したいと思っていなければ結局は壁にぶつかる。
歯科医師として、人として尊敬できない人を、スタッフは応援したいとは思わないのです。
さて、先生が歯科医院経営をされている「動機」は何でしょうか?
そしてその理想をスタッフが心から応援したいと思っていますか?
一見、青臭いと思われることが「本質」であることは多い。
そして本質を事業の柱にしている企業しか長期で見れば生き残れないのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00