おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
(全般的事項)
近年、診療報酬体系が複雑化していること及び医療 DX の推進において 簡素化が求められていることを踏まえ、患者をはじめとする関係者にとっ て分かりやすい診療報酬体系となるよう検討すること。
(在宅医療等)
在宅医療、在宅歯科医療、在宅訪問薬剤管理及び訪問看護の質の向上に向け、同一建物居住者への効率的な訪問診療や訪問看護における対応等、 今回改定による影響の調査・検証を行うとともに、地域における医療提供体制の実態等も踏まえつつ、往診、訪問診療、歯科訪問診療、訪問薬剤管 理指導、訪問看護等における適切な評価の在り方を引き続き検討すること。
(かかりつけ医機能)
かかりつけ医機能を有する医療機関について、改正医療法に基づく制度 整備の状況を踏まえ、かかりつけ医機能がより発揮される評価の在り方を検討すること。
(歯科診療報酬)
かかりつけ歯科医の機能の評価に係る施設基準の見直し等の影響や回復期リハビリテーション病棟等の入院患者に対する口腔管理・多職種連携 の状況等を調査・検証し、口腔疾患の継続的な管理の在り方や口腔管理に係る関係者との連携の評価の在り方について引き続き検討すること。
以上が、令和6年診療報酬改定時の答申で「附帯意見」として出されたもののうち、歯科医療に関わるものを抜き出したものです。
例えば「全般的事項」に書かれています様に、診療報酬の算定に関する事務作業やレセプト審査などがコンピュータで効率的に行える様に、診療報酬体系が整備されていくことが分かります。
そしてそこに電子カルテの標準化などが加わり、医療や介護の現場の情報、国民のパーソナルな情報がAIによって分析される様になるのです。
そして、診療報酬改定自体はここ数回の改定の流れを引き継いでいくことが分かります。
歯科医療においても口腔機能管理や連携が重視されるのです。
「答申の付帯意見」全体によく出てくるのは「実態(状況)を踏まえて」という言葉です。一旦は包括化した点数もバラされる項目が出てきていますので、2年後の改定でも同様の傾向は続くとでしょう。
DX化が進むことによって医療機関の診療情報は簡単に集計できる時代になっていきますので、算定はされていても実態が追いついていない項目は実態が伴う様に変更されるのです。
改定予算が大幅に増えることは考えにくいので、既存項目の点数を下げたり患者の一部負担を導入したりして重点分野の強化を進めるスタンスは変わらない気がします。
だから令和6年歯科診療報酬改定で大幅な増点にならなかった歯科医院は次回の改定でも増点は期待できないのです。
経営コストが増加するなかで初再診など既存項目以外で算定できる項目が増えないのでは、保険診療の収益性は益々悪化するのです。
国の医療政策にそって医院を変化させていくべきか?設置されたハードルを越え続けるのか?
今はちょうど院長がその事を決断する分岐点にある気がします。
「か強診」が「口管強」に変わろうが、かかりつけ医機能を強化する方向性、地域包括ケアシステムが基軸である事は変わらないのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00