おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院経営を開業した当初はシンプルだった貸借対照表や経営分析の項目も医院が大きくなるのにつれて複雑で分かりにくくなります。
すると院長が打つ経営対策が本当に効果を上げているのかが見えにくくなるのです。
そんな状況を回避する為に経営力がある医院では経営状況を定量的に見える化する工夫をしているのです。
では、歯科医院経営ではどんな項目をチェックすれば良いのでしょうか?
歯科医院では新規利用からリピート利用に移行していく構造になっていることから、先ずは医院規模に応じた「新患」が確保されているのかが重要です。
新患のすべてがリピート利用に移行する訳ではありませんし、リピート利用者が離脱したりリピート利用者の枠に制限がある場合も多いので新患の確保はまだまだ重要なのです。
だからマーケティング対策が機能しているのか?広告効果がどれ位であるのかも数値で測定して対策していく必要があるのです。
次に必要なのは、立てた治療計画に患者が納得し必要な治療をちゃんと受けているのかの定量的な測定です。
歯科医院では患者にとって必要な説明が出来ずに患者が来院しなくなるというケースも生じており、「患者が必要な説明を受けたか?」「その説明に納得して治療を受けているか?」を測定して仕組みの性能を高めていく事は長期管理型に向かう上で重要なのです。
ここをしっかり対策しないと経営は「穴の開いたバケツに水を注ぐ」状態になります。
三つ目に必要なのは、「患者が治療の予約を取る為の枠が確保されているのか?」の測定と対策です。
お金をかけて新患を集めリピート患者を増やしたとしても「予約枠」が無ければ診てあげることが出来ません。
とくにリピート患者が予約する枠が空いていないと継続管理ができませんので、院長とスタッフはどうやって枠を確保するのかを工夫していく必要があるのです。
四つ目はキャッシュフローです。
経営対策は「お金をかけない対策」と「お金をかける対策」に分かれます。
お金をかけない対策は「時間」「ヒト」という経営資源を使いますし、お金を使う対策は貴重な経営資源を複数使いますので対策によってフリーキャッシュフローが増えてきているのか?を見ていく必要があるのです。
とくに設備投資をしてそれに見合う利益を確保できなければ「利益を生みにくい経営体質」になっていきますので院長の判断だけで購入して良い訳ではない。
設備を導入するならそれに見合う利益を確保する覚悟をするか、経常利益額を確保して余裕資金で質を高める必要があるのです。
五つ目のチェックポイントはポジショニングと医院ブランドの強化です。
成果を出す為には「時間」「ヒト」「お金」「情報」などの経営資源を投下していく必要がありますが、戦略的に間違った方向に進めば投下した経営資源は無駄になってしまいます。
だから、地域と医院によって「活躍できるポジション」「生き残れるポジション」を見つけてそのポジションでエッジを立てなければ患者は来院しないのです。
まだまだチェックポイントはありますが、代表的なものはこの五つです。
だから最低でも3カ月に1回は正しい対策をして成果を出せているのかを確認してくださいね(大きな歯科医院は毎月)。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00