おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院は院長一人の思いから始まり次第に院長の日頃の姿勢にスタッフや患者から共感が集まり発展し始めます。
口コミによって患者が少しづつ増えそれに対応する為にスタッフや勤務ドクターを採用し、ユニットを増設したり改装したりする必要が出てくるのです。
すると、一日の患者数が増えスタッフや勤務ドクターが増える中で従来のやり方では上手くいかなくなる。
ここで分業化と仕組化が始まるのです。
ユニットサイドでドクターが患者に丁寧に対応していれば多くの患者を診れないので、ドクターの指示に基づき補助としておこなうカウンセリングや治療コンサルの役割を歯科衛生士などのスタッフ(治療カウンセラー)が専用ルームで行う様になるのです。
この工程が増えるだけで、
・問診票の情報、初診カウンセリングで得た情報をどうやってドクターに伝えるのか?
・ドクターの診断結果と治療計画をどのタイミングでどうやって治療カウンセラーと共有するのか?
・治療カウンセラーの治療に関する知識とコンサル技術をどうやって高めるか?
・患者が自分の病気について正しく理解し、納得して治療提案を聞き、自分にとって最善の治療法を受入れる為の提案方法をどうやって作るのか?
などの課題が出てきます。
忙しい治療現場では情報が正しく正確に繋がっていないことも多く、そのことが原因で「患者の不満足」が発生しているのです。
しかし、実際には治療カウンセラーが急激に成長する訳でもなくマンパワーが足りていない歯科医療の現場では質の改善に取組めない時期もある。
そこを乗越えて質の高い仕組みをどうやって構築していくのかが問われるのです。
歯科医院を発展させていく過程では「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」「知的財産」のどれかが必ず不足し全部が揃うことはありません。
しかし、そういう状況の中でもタイミングを見計らってどうやって仕組みをレベルアップするのか?によって歯科医院の発展度合いが決まるのです。
分業化は医院発展に必要な要素の一部でしかありません。
歯科医院は規模が大きくなるのに合わせて仕組化しなければいけない要素が増えていき、その課題をクリア出来るのかで医院が更に発展できるのかが決まるのです。
また、見学した医院の仕組みをモデリングしたとしても院内に落とし込み機能させるまでが一苦労です。
医院によって経営資源は違いますので、医院の実力よりかなり上の仕組みは一気には落とし込めないからです。
こうやって結果的に落とし込めなかった仕組みの残骸が医院の中に残っています。
医院を見学すると経験の浅いスタッフだけが実行していてベテランスタッフはやっていないなんてこともあり、院内の統一性が取れていないこともあるのです。
様々な問題が発生し経営資源も足りていない中で諦めずに医院レベルをどう高めていくのか?
歯科医院の発展は「仕組化との格闘の歴史」だと私が感じる所以です。
結局、チームメンバーの目線が合い「目的地」にたどり着くことを諦めずに努力し続けた医院が後ろを振り返ると「目的地に到着していた」というのが正解だと思います。
中には「スタッフは仕組みのレベルを上げたい」と考えているのに院長が「そこまでは必要ない」と考えてスタッフがやる気を失っているケースもありますので、やはり院長は目的地への到達に一番情熱を燃やしている状態を維持して頂きたいと思います。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00