おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
「サラリーマン」
この昭和を表す代表的な和製英語の役目は終わったと感じます。
昭和のサラリーマンを大量に生み出す日本の教育制度も変わりつつあります。
「自助の時代」において典型的なサラリーマンが多数在籍する企業では業績が伸び悩みつつあり、企業の社員マネージメントも変化してきているのです。
歯科医院で働くスタッフのタイプも「サラリーマン」と「個人事業主」に分かれます。
チームとしての成果を出す為、自分が成長する為に、周りの状況を洞察しながら自分で考えて動ける人、そしてルーチン作業はできるがそれ以上のことをやろうとしないスタッフがいるのです。
こういうサラリーマンスタッフは院長や幹部からも評価が低くなりがちです。
そして行動を改善する様に院長から注意されるのですがいつまで経っても変わらないのです。
すると段々と「やる気のないスタッフ」の烙印を押されてしまう・・・。
しかし、本当にそうでしょうか?
院長はそのスタッフが行動変容できない理由をちゃんと把握してアプローチを変えるなどの工夫をしたのでしょうか?
本当にやる気がないのでしょうか?「やる気が出ない」「やり方が分からない」の間違いではないのでしょうか?
先日、スタッフ向けに患者の「視点変換」と「行動変容」のアプローチ法について話す機会がありました。
この二つのスキルは医療従事者なら全員が身につけていくべきものですが出来ていない医療機関も多い。
例えば患者の持つ間違った知識や認識にダメ出しをするのは誰でもできますが、主体を患者にしたまま「視点変換」と「行動変容」に繋げるには医療従事者のレベルが問われるのです。
スタッフをサラリーマン化させるのかどうかも院長や幹部の「視点変換」と「行動変容」のスキルとアプローチ方法にかかっています。
例えば、院長がスタッフと個人面談をする時には、
・スタッフに医院の考え方を理解させる
・医院の理想を実現する為に成長を求める
・医院の目標を達成する為に自覚をもってもらう・
・出来ていない点を指摘して改善してもらう
などの目的を持って実施されることが多いと感じますが、その時点で「課題は院長にある」ことになりますので上手くいかないのです。
基本的にはスタッフが理想の行動を取れないのは「行動」「スキル」「考え方」「行動する勇気」「環境」のどれかに原因があることが多く、ABC理論で言えば「理想の為の行動をする→その行動を否定される出来事が複数回発生→行動を躊躇するようになる」によって動けなくなっていることが多いのです。
そしてスタッフの問題行動も院内においてそのスタッフが「心理的脅威」を感じたことで闘争逃走反応が出ていることが多い。
スタッフを「言われたことだけをやる」サラリーマン化させるのは間違いなく院長です。
スタッフが動けないと感じたら原因論でステレオタイプ的な決めつけをするのではなく、「どういうアプローチ法を使えば視点変換→行動変容につながりそのスタッフがコンフォートゾーンから抜け出せるのか?」を考えながら実践できる様にならなければならないのです。
今回はあえて専門用語を意識的に使いましたが、スタッフマネジメントをする上ではごく基礎的で必要不可欠な知識だと思います。
歯科医師が歯科医療で成果を出す為にエビデンスに基づいた知識や技術を身につける必要がある様に、スタッフマネジメントや患者の「視点変換」「行動変容」にも身につけなければ成果を出せない知識が技術があるのです。
院長に自走するスタッフばかりを採用できる自信があれば放置している方が良いのですが、この採用難の時代にスタッフの成長に時間と手間とお金を使わずに自走するチームを作ることは困難だと感じます。
先日、今月から関わることになった歯科医院のスタッフ数人と少し話しましたが「宝の山」だと感じました。あとは院長や幹部と一緒に活躍の舞台をつくり機能するチームを作れば良いのでワクワクしています。
先生もチームメンバーと一緒にワクワクする院内環境を作っていきませんか?
テーマ:スタッフ育成、チームビルディング
Posted at 05:00